歯科業界のマーケティング(基礎編①)
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皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所医療支援部の谷口 竜都(タニグチ リュウト)と申します。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回から「歯科業界のマーケティング」について執筆させていただきます。
本日は、「歯科業界のマーケティング(基礎編①)」
まず、皆様に質問させていただきます。
「毎月、売上、自費率、新患数など経営数値を把握し、対策していますでしょうか?」
答えが「No」であれば、まずは経営数値を把握(計測)することから、まずは始めなければなりません。
基本的には、アポツールやレセコンで把握できる数と、受付さんが計測しなければならない数があります。
船井総研として、毎月最低限把握すべきだと考える経営数値は下記です。
【毎月確認すべき経営数値】※前年比率もあると良い
・売上
・累計売上
・保険売上(外来、訪問)
・自費売上
・自費内訳(診療科目別の売上と件数)
・雑費売上
・延べ来院数
・診療日数
・1人あたり平均通院回数(=延べ来院数/外来レセプト枚数)
・1日平均来院数(=延べ来院数/診療日数)
・レセプト枚数(外来、訪問)
・平均レセプト単価
・再初診数
・再診数
・治療終了者数
・自費患者数
・新患総人数
①知人からの紹介
②家族からの紹介
③ホームページを見て
④看板を見て
⑤自宅・会社から近いから
⑥通りがかり
⑦その他
・新規メンテナンス対象者数 ※1
・新規メンテナンス実来院者数 ※2
・既存メンテナンス対象者数 ※3
・既存メンテナンス実来院者数 ※4
・新規メンテナンス移行率(=新規メンテナンス実来院者数/新規メンテナンス対象者数)
・既存メンテナンス継続率(=既存メンテナンス実来院者数/既存メンテナンス対象者数)
・合計メンテナンス率
・総予約数
・急患数
・急患率(=急患数/総予約数)
・当日TELキャンセル数 ※5
・無断キャンセル数
・キャンセル率(=TELキャンセル数+無断キャンセル数/総予約数)
・チェア1台あたり生産性(=売上/チェア台数)
・ヒト1台あたり生産性(=売上/常勤換算人数 ※6)
※1 新規メンテナンス対象者数とは、初めてメンテナンスの対象となる患者数(治療終了者数と同義)
※2 新規メンテナンス実来院者数とは、初めてメンテナンスとして来院した患者数(治療終了者数のうち、初めてメンテナンスに来院した数)
※3 既存メンテナンス対象者数とは、継続したメンテナンスの対象となる患者数(当月にメンテナンスに来院した数と同義。つまり、メンテナンスに来院した患者さんは、次のメンテナンスの対象となるため)
※4 既存メンテナンス実来院者数とは、継続したメンテナンスとして来院した患者数(既存メンテナンス対象者数のうち、メンテナンスに来院した数)
※5 当日TELキャンセル数とは、予約日当日に電話にてキャンセルまたは日程変更された数
※6 常勤換算人数とは、常勤を1.0とした場合、週の半分出勤している非常勤を0.5として、計算する人数のこと
【経営数値の指標】
※飽くまで、平均となる指標ですので、当てはまらないケースがあります
・1人あたり平均通院回数(=延べ来院数/外来レセプト枚数)
★2.1~2.3回が理想
(1.7回以下だと患者さんは予約が取りづらいと感じている可能性高い)
(2.5回以上だと患者さんは治療が多いと感じている可能性高い)
・外来レセプト枚数
★チェア1台あたり120枚
(チェア3台であれば、360枚/月)
(150枚を超えると、かなり院内が忙しい)
・平均レセプト単価
★全国平均1,229点/枚
(平成30年厚生局データ)
・新患総人数
★チェア1台あたり10人
(チェア3台であれば、30人/月)
(全国平均 Web:紹介:その他=5:3:2)
・新規メンテナンス移行率
★まずは80%以上、理想90%
・既存メンテナンス継続率
★まずは80%以上、理想90%
・合計メンテナンス率
・急患率(=急患数/総予約数)
★ 5%
・キャンセル率(=TELキャンセル数+無断キャンセル数/総予約数)
★まずは10%以下、理想5%
・チェア1台あたり生産性(=売上/チェア台数)
★まずは200万円/台、理想250万円/台
(チェア3台であれば、600万円/月)
・ヒト1台あたり生産性(=売上/常勤換算人数)
★まずは125万円/人、理想150万円/人
(ヒト5人であれば、625万円/月)
以上、あくまで基本的な経営数値ではありますが、下記の②点に取り組んでいただければと思います。
①まずは、上記経営数値を把握(計測)すること
②指標と比較し、指標に近づくための施策を、毎月考えてアクションする
以上で、歯科業界のマーケティング(基礎編①)とさせていただきます。
【執筆者:谷口 竜都】
◾️この記事を書いたコンサルタント
谷口 竜都
中央大学法学部法律学科を卒業し、新卒で船井総合研究所入社。歯科医院の経営コンサルティングを専門とする。現在は、歯科、動物病院分野のコンサルティング部門の統括、および中国の歯科医院コンサルティングの立ち上げ、医療ビッグデータに関する新規事業開発のプロジェクトを行っている。
【社外コラム】
あきばれ歯科経営 online
【執筆】
事例から実践を学ぶ歯科医院の成長戦略バイブル(医歯薬出版株式会社)
【コンサルティング実績 ※一部】
事医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック様
医療法人 中央歯科医院様
医療法人社団仁宏会 じんデンタルクリニック様様
医療法人社団MMT 長浦マリン歯科様
医療法人Pleasure きまた歯科様
もじり歯科クリニック様
◾️監修コンサルタント
歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター
松谷 直樹
2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。
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