令和4年(2022年)歯科診療報酬改定の動向

2021年10月28日 (木)

コラムテーマ:
診療報酬改定・保険改正

皆さま、こんにちは。
株式会社船井総合研究所の松谷直樹と申します。

※本内容は2021年10月28日にアップした内容に2022年2月9日段階での情報を追記しております。

令和4年2月9日(水)に公開されました中央社会保険医療協議会 総会(第516回)議事次第を確認しますと令和4年(2022年)歯科分野の診療報酬改定についてもよそ明らかになってきています。

今回の診療報酬改定全体のポイントは下記の4項目となっています。

Ⅰ 新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築
Ⅱ 安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進
Ⅲ 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
Ⅳ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

特に歯科に関わる部分と言いますと、下記の部分あたりに注目すべきと言えそうです。

【Ⅰ-5 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価】
⑦ かかりつけ歯科医の機能の充実

【Ⅰ-6 質の高い在宅医療・訪問看護の確保】
⑳ 質の高い在宅歯科医療の提供の推進
㉑ 在宅医療における医科歯科連携の推進

【Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価や医薬品の安定
供給の確保等】
⑭ 歯科口腔疾患の重症化予防の推進

【Ⅲ-5 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯
科医療の推進】
① 歯科診療における院内感染防止対策の推進
② 歯科口腔疾患の重症化予防の推進
③ ライフステージに応じた口腔機能管理の推進
④ 歯科診療所と病院の機能分化・連携の強化
⑤ 歯科固有の技術の評価の見直し

【Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価や医薬品の安定
供給の確保等】
⑭ 歯科口腔疾患の重症化予防の推進
について言及します。
この中でも特に注目をしておくべき点が「歯周病安定期治療(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、
歯科診療の実態を踏まえ、整理・統合し、評価を見直す。」という点です。
ここにはSPT(Ⅱ)が削除されると記載されています。
これまで、か強診届出を行い、定期健診でSPT(Ⅱ)の算定を行っていた医院様に関しては、定期健診の算定を患者様の口腔内の状況別にどのように行っていくべきか、という点に関して検討しておく必要性があります。

この点に関する議論は弊社眞野が下記ページで検討していますので宜しければご覧ください。
https://dental.funaisoken.co.jp/%ef%bc%9c%e9%80%9f%e5%a0%b1%ef%bc%9espt%e3%81%8c%e6%94%b9%e5%ae%9a%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8a%e3%80%81%e5%a4%9a%e3%81%8f%e3%81%ae%e6%ad%af%e7%a7%91%e5%8c%bb%e9%99%a2%e3%81%a7%e6%b8%9b%e7%ae%97/

また、「フッ化物洗口指導及びフッ化物歯面塗布処置について、現在の罹患
状況等を踏まえ、対象患者の範囲を見直す。」と記載されています。
内容には、上記のフッ素関連処置の年齢対象が広がることが記載されています。
フッ素関連処置にはCe(エナメル 質初期う蝕管理加算)という算定項目もあります。今後はフッ素関連処置に関して、より患者様の属性と口腔内の状態に正確に合致した算定を行う必要性が高まると考えます。

【Ⅲ-5 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯
科医療の推進】
③ ライフステージに応じた口腔機能管理の推進
について言及します。

今回「口腔機能管理料及び小児口腔機能管理料について、対象患者の年齢の
範囲をそれぞれ拡大する。」とあります。具体的には
口腔機能管理料が65歳以上だったものが50歳以上に対象拡大されます。
小児口腔機能管理料については15歳未満だったものが18歳未満に拡大されます。
このことは国が以前より示していた口腔機能管理分野の重視の方針が進められていると思われます。今後もこの方針は継続されると言えます。

今後も最新の情報が出ましたら更新したいと思います。

(以下は2021年10月28日に更新した内容です。)

皆さま、こんにちは。
株式会社船井総合研究所の松谷直樹と申します。

令和3年8月4日(水)に中央社会保険医療協議会 総会(第485回)にて令和4年(2022年)の歯科の診療報酬改定について一部議論がされています。

その内容を確認し、2022年の診療報酬改定の内容について検討したいと思います。

今回テーマとして、以下の3点が取り上げられていました。
○地域包括ケアシステムの推進
○安心・安全で質の高い歯科医療の推進
○生活の質に配慮した歯科医療の推進等

また、「歯科医療に係る現状及び課題と論点」ということで論点が4点下記のようにまとめられていました。

○ 地域包括ケアシステムを推進する観点から、かかりつけ歯科医に求められる機能や医科歯科連携等の他職種連携を推進するために、どのような対応が考えられるか。
○ 歯科外来診療における感染防止策等について、どのように考えるか。
○ 口腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理を推進する観点から、どのような対応が考えられるか。
○ 歯科固有の技術の評価について、引き続き生活の質に配慮した歯科医療の提供等を推進する観点から、どのような対応が考えられるか。

上記の詳細に関しては下記より資料を確認いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000816087.pdf
厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第485回) 議事次第」より引用

これらを見ますと個人的な見解にはなりますが、改定される可能性として以下の点を感じました。
・かかりつけ歯科医機能強化型診療所の要件や評価の変更の可能性
・周術期等口腔機能管理等における医科歯科連携推進のための制度変更の可能性
・歯周病予防や口腔機能管理に対する評価や制度変更の可能性
・新型コロナウイルス感染防止に対応した感染防止対策の制度化の可能性

引き続き診療報酬改定の動向を確認しこちらのコラムでも取り上げさせていただきたいと思います。

【関連コラム】

・<速報>CADCAMインレーの保険適応が“対応優先度 高”へ

・<速報>SPTが改定により、多くの歯科医院で減算か!?

こちらのYouTube動画では、か強診の取得について解説しております。

YouTube動画|2022年診療報酬改定の動向・予測を動画で解説!

YouTube動画|か強診取得のための訪問歯科5件突破のポイントとは!?

◾️この記事を書いたコンサルタント

松谷 直樹

プロフィール詳細

売上、利益の向上を大切にしながらも、「本当に患者さんに喜んでもらえる歯科医院作り」をコンサルティングの第一の目的に している。 「歯科医院は患者さんに喜んでもらえるためにある」「経営ノウハウは患者さんに喜ばれるような歯科医院作りのために活用するべきだ」という信念を元にコン サルティングを実施。 実現可能な提案と口頭だけでなく提案内容を実際に現場に落とし込み、実行するコンサルティングのスタイルを実行している。

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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