「知られざる中国歯科市場について」

2024年03月21日 (木)

コラムテーマ:
中国歯科

皆さん、こんにちは。
船井総合研究所・船井(上海)商務信息咨詢有限公司の小川純平でございます。

今回は特別編でお隣の中国(中華人民共和国)の歯科市場について、お届けして参りたいと思います。

現在の中国歯科市場について(2024年3月現在)

中国歯科市場の規模は2015年757億元(≒1.57兆円)から2020年1199億元(≒2.49兆円)に成長。直近の年平均成長率は20%を超え、2025年には3000億元(≒6.24兆円)に達すると予想されています。
※元と円のレートは1元=20.8円で計算

また、中国の歯科医院の総数は2022年末で122,248件。2022年3月の91,577件に比べ、9ヶ月で30,671件増加と急激にその数を増やしており、今年の2024年末で160,000件を超えると予測されています。

かなりのスピード感で成長しているように思えますが、中国と日本の人口対比で考えると、中国が日本の約11倍強の人口に対し、歯科市場・歯科医院数ともに日本の2倍程度しか及びません。

つまり、今後の中国歯科市場はまだ成長期の段階と言えます。

中国歯科市場のライフサイクル

端的に申し上げますと、中国歯科市場は日本よりも30年遅れているといっても過言ではないでしょう。
日本と中国で歯科診療科目別のライフサイクルを見ると、日本はインプラント・矯正歯科(成人)分野のライフサイクルが成熟期以降に入っているにもかかわらず、

中国はインプラントを除く、ほぼ全ての診療科目が導入期、成長期段階にあります。

中国ではインプラントによって、急拡大・店舗展開に成功した歯科医院があるものの、2022年10月より始まった中国政府の「インプラント治療をめぐる医療サービス費用および消耗品の価格についての特別措置に関する通知(通称:インプラント政策)」によって、インプラントの価格抑制(1本のインプラント治療に関わる医療サービス部分の費用を基本的には4500元(約9万円)に抑える方針)が始まり、それら多くの歯科医院は拡大から利益確保・維持を迫られる事態になりました。
インプラントの低価格化に伴い、顧客獲得のためのマーケティングコストが増加。ある大手歯科チェーンでは、売上に対して30%超もの宣伝広告費を消化しているそうです。

結果、多くの歯科医院がこのインプラント政策によって、それまでの利益を大きく減らす結果となり、新規顧客獲得から顧客固定化(リピート施策)の方向性に舵を切るようになっています。

中国歯科市場の未来予測~注目される日本の歯科市場~

そのような中国歯科市場の現状に際し、現在注目されているのが我が日本国の歯科市場です。
中国の歯科経営者に驚かれることに、日本は1993年から約30年間の経済成長がほぼ0%にも関わらず、8020運動の達成率が1993年の10.9%から2022年の51.6%に伸びていることがあげられます。


経済成長をほとんどしていないにも関わらず、日本国民のデンタルIQが確実に向上している背景には、歯科医院を経営されている皆さんが目の前の患者様に対して予防歯科の重要性を伝え続けてきたことに他なりません。

現在、中国の多くの歯科医院経営者が、日本の歯科医院の仕組みやカウンセリングシステムを研究しています。

2022年より中国は日本と同じく人口減少(少子高齢化)の道を歩み始めました。日本以上に出生率が低く(合計特殊出生率(2022年度):1.09%)、競合医院が急激に増える中国においては、今まで通り新規患者を獲得することが難しくなっていくことは明白です。

確実に中国歯科市場も生涯を通じた包括的な歯科治療や予防歯科に注力していく動きとなるでしょう。

中国の歯科医院を見学したい!国内以外にも興味がある!という方へ

中国歯科市場は日本の30年前と申し上げましたが、一方で日本よりも優れている点や日本の歯科医院ではあり得ない規模感で経営されている歯科医院も数多くございます。

(左上)中国No.1 瑞尔口腔集団(ARRIAL GROUP)
(左上)中国No.1 小児歯科チェーン 极橙儿童齿科
(左下)北京No.1 インプラント医院 北京海德堡口腔
(右下)上海No.1 インプラント医院 鼎植医生集団

123店舗展開する中国No.1の歯科医院チェーン
小児歯科専門で20店舗展開する中国No.1 小児歯科専門チェーン

1医院で月4000本以上のインプラント埋入を行うインプラント医院 など

船井総合研究所・船井(上海)商務信息咨詢有限公司では、こうした日本では到底考えられない規模感で経営されている歯科医院に、皆さまをお連れすることが可能です。

少しでもご興味のある方は、個別での中国歯科視察ツアー(※有料)等も承っておりますので、お気軽に下記経営相談窓口までお問合せください。
経営相談窓口:https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S031.html

◾️この記事を書いたコンサルタント

小川 純平

プロフィール詳細

立教大学法学部卒業。
船井総合研究所 最優秀新人賞。
入社後は主に集客(集患)・採用のWebマーケティングに従事。
Webマーケティングにおいては社内トップクラスの知識・ノウハウを有しており、歯科専門コンサルタントでありながら、他の業界からの引き合いも多く、あらゆる業種において即時業績アップに貢献。
患者ニーズ・行動心理を把握したマーケティング戦略を得意としている。
クライアントには十億円規模の医療法人も複数おり、歯科業界を代表するマーケッターとして活躍している。

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