医院内外から共感を得るKPI設定のあり方を考える

皆さんこんにちは。
船井総合研究所・歯科グループの若木です。

今回のメルマガでは表題の件について、書かせていただきます。

先日社内の打ち合わせで、フィットネスジムやパーソナルトレーニングのご支援を行っている部門のコンサルタントと話しをする機会がありました。

その際、普段どういう目標設定でクライアント様と伴走しているのかを尋ねると、『日本人のフィットネス関連サービスの利用率は現在3.3%と、先進国の中でも低い数値となっており(アメリカは18~19%)、これを10%まで引き上げたいと考えている。結果として、健康増進による医療費の削減や、人生100年時代における健康寿命の延伸を叶えたい。』という回答があり、これには異業種ながらとても共感する思いがしたと同時に、訪問歯科における目標設定は何なんだろう、と改めて考えさせられました。

これは訪問歯科に限った話ではないですが、おそらく歯科医院における目標設定、つまりKPI/KGIは通常、下記のような内容なのだと思います。

KGI = 売上、利益
KPI = (KGIを達成するための指標である)レセプト枚数、新患数、リコール患者数、キャンセル率、など

もちろんこれらは経営を考える上で、重要な指標であることに疑いの余地はありません。

但し、弊社の創業者である故・船井幸雄が提唱し続けた企業のあるべき目的とされる「教育性、社会性、収益性の追求」と照らし合わせると、十分ではないように感じます。というよりも、『buyよりvote(投票する)』といわれる時代においては『共感』という要素の比重が高まっており、医院の継続的な発展のため、『スタッフを教育して、共に良い医院づくりを行おう』であったり、『地域社会に歯科治療を通して貢献したい』と考える際の目標設定が、上記のような項目であった場合、本当に医院内外からの共感であったり応援を得ることができるのか、と感じるのです。(もちろん、売上や利益をあげることが回りまわって3方良しであるという考えは正しい上で。)

これがさらに訪問歯科の場合、関係者は院外の多職種、ケアマネジャーであったり、介護施設の職員だったりするわけですが、これらの方々にまで応援され、支持を集める目標設定とは何なのか。

そのヒントになるのは、弊社が主催する「グレートカンパニーアワード2020」にて、「グレートカンパニー大賞」を受賞された医療法人社団 悠翔会様です。こちらの法人様では、よりよい医療を追求するために、4つの指標をKPIとして共有されています。

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①新規の患者紹介数
→在宅医療はほとんどが紹介です。地域から必要とされているのかを紹介数から読み取ります。

②急変の発生で起こる緊急のコール数
→定期診療の際に予防的なケアをすることで、患者さんが夜間や休日に医師を呼ぶ状況を未然に防ぎます。

③入院日数
→患者さんは訪問診療を開始する前は年平均で40日間入院されていますが、開始後は平均で年12日間と30日近く減っています。在宅医療は患者さんのQOLを高めながら、社会保障費を削減することにもつながります。

④看取り率
→在宅での看取りは最期まで自宅で安心して過ごせた結果としてチェックしています。

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これらのKPI設定は、あくまで医療を真っすぐに捉えています。医院で働くスタッフはもちろん、院外の多職種、ひいては患者様の共感を得ることにも繋がるのではないか。

そして、これらの指標を歯科、訪問歯科に転用するとどんな指標となるのか。誤嚥性肺炎の罹患率や、熱発の発生率、よく文字面では言われる認知症の進行なども置けるかもしれません。

適切な目標設定から、数値の取り方の方法論含め、今後有志のクライアント様方と模索していきたいと思います。先生方におかれましても、良いアイディアがありましたらぜひお声がけください。

最後に蛇足ながら、直近のセミナー開催分のご案内を差し上げて、締めとさせていただきます。

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以上、
拝読いただきまして、誠にありがとうございました。

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