【2020年改定解説】CAD/CAM冠の対象拡大/手術用顕微鏡/象牙質レジンコーティング編~
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- 自費診療 (増患 集患)
船井総研歯科コンサルティングチーム 眞野でございます。
皆様が大注目している、2020年の保険制度改正について、情報(骨子)の公開(中央社会保険医療協議会 総会(第 448 回) 議事次第 令和2年1月29日)より
船井総研 歯科コンサルティングチームが運営する当該サイトでは、歯科医院経営においていかにして対応していくか、解釈や具体的な対応策に関する情報を発信してまいりますので、どうぞご覧ください。
今回は「Ⅱ-9 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進」として記載された内容の内、歯冠修復治療に関連する部分について、書かせて頂きます。
⑩ CAD/CAM冠の対象拡大
⑪ 手術用顕微鏡を用いた治療の評価
⑫ 歯科診療における麻酔の算定に係る評価の見直し
⑬ 歯科固有の技術の評価の見直し等
上記が、一般歯科の領域において広く係わる内容であり、粒度は大小ありますが、チェックしておきたいところであると言えます。
まず「CAD/CAM冠の対象拡大」という項目ですが、前々から噂レベルで囁かれていた前歯部への適用というのは、今回は範囲外となったのでしょうか。4月を迎えるまでは断定的なことは言えませんが、この記載のままの改定であれば、下顎の第一臼歯に限らずに上下顎で特定条件下のもと適用が可能になるということでしょう。
また、石膏模型レスでの製作という観点の話も言及されていないので、その真偽は4月を迎えての確認になりそうですね。
次に「手術用顕微鏡を用いた治療の評価」ですが、当該内容はしっかりとチェックしていく項目かと想定しております。その理由は、“4根管又は樋状根に対して“という限定条件が緩和されているために適用範囲が単純に広がったと言えること。そして、根管内異物除去として算定できる項目が新設されていること、の2点からです。
そして、その両内容は施設基準の認定が前提となる記載もあり、か強診や外来環を含めてハードウェア(設備面)の整備という側面でも基準に則っていく動きが重要になってくると言えます。
「歯科診療における麻酔の算定に係る評価の見直し」については、表面麻酔や浸潤麻酔に用いた薬剤が別途算定できる(手技に薬剤代が包括されなくなった)と見受けられる点がチェックポイントですね。
最後に「歯科固有の技術の評価の見直し等」については、点数の増減こそ4月を迎えねば分かりませんが、予想するに昨今の材料代の異常な高騰に対して、点数が増加するのではないかというポイントです。ここで書かれているのはあくまで歯冠形成に伴う点数ですが、形成から冠のセットまで一連の手技でみるという意味では実質的な点数増になるのかもしれません。合わせて、乳歯金属冠が既製冠という名称でステンレススチール冠が適用されるということもポイントになってきます。また象牙質レジンコーティングという名称で新設された手技については、同じく形成から冠セットまで一連の流れの中で算定できるとすると、網羅的にみた点数増なのかもしれません。
しかし、あまり楽観視できないと考えています。それは、市場で大きく変動する金属代に対して、数か月単位で変えられない保険点数制度の中で十分な補填(算定の点数にて医院負担を減らすという動き)がなされることは考えにくいということです。従って、点数増になったとしても、決して適正な利益を確保できるものではないという予想です。
そうなると、やはり質の高い治療提供に繋がるのであれば、自費のノンメタルでの歯冠修復治療を提供していくべきということです。すなわち、セラミックスやジルコニアなどの先進的な材料を指します。
また、活用できるレベルと判断されるデジタル技術(光学印象カメラや模型のスキャン)も大いに活用して印象に用いる材料代を圧縮していくことが、戦略上求められるということです。
船井総研からは、情報公開される都度、整理した情報と共に想定される医院戦略や事例セミナーの情報も提供し続けてまいりますので、是非チェックいただければと思います。
<本内容に関連するセミナー>
◆ミドルプライスセラミックモデル導入事例セミナー(2020年3月・4月)
◾️この記事を書いたコンサルタント
眞野 泰一
◾️監修コンサルタント
歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター
松谷 直樹
2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。
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