2021年10大歯科業界予測

2021年01月12日 (火)

コラムテーマ:
時流

皆さま、こんにちは。
船井総合研究所 歯科医院経営コンサルティングチームでございます。
昨年も1年間ありがとうございました。本年も何卒宜しくお願い致します。
2021年1回目のブログということですので、本年の10大予測を書かせていただきます。

2021年はこうなる10大予測
1.2021年上半期はウィズコロナが続き、下半期にワクチン接種が進む
2.借入はしやすい状況が続き、投資には適した1年となる
3.時短を進める医院が増える
4.オンライン診療への取り組み
5.アライナー矯正の市場は堅調に拡大する
6.予防矯正のニーズが拡大する
7.予防歯科の重要性・口腔機能管理の必要性が高まる
8.訪問診療の必要性はますます高まる
9.インプラント・保険外義歯のニーズは横ばい傾向が続く
10.採用の難易度が高まる

1.2021年上半期はウィズコロナが続き、下半期にワクチン接種が進む

アメリカでは2020年12月11日にファイザー社のワクチンが緊急承認され、接種がはじまりました。まずは医療関係者、次に高齢者、基礎疾患を有する方、そして一般の国民という順番で進むと言われています。
日本では2021年1月現在承認はされていませんが、2月頃に厚生労働省に承認されると報道されています。2月下旬ころから医療関係者から接種がスタートされる可能性があります。
おそらく、実際に一般国民にワクチン接種が始まるのは2021年の下半期になると考えられます。
従って、少なくとも2021年の上半期は現状のウィズコロナの生活様式が続くと想定できます。つまり、飲食、観光、エンタテイメント業界は苦戦し、ネット通販、ゲーム、オンライン関連といった業界の需要は続くと思います。
私たちの身近なテーマでいうとオンライン相談、オンライン診療といったテーマにどうチャレンジするかということを考えておく必要がありそうです。

2.借入はしやすい状況が続き、設備投資には適した1年となる

現在長期金利は0%前後で推移しており、借入はしやすい状態が続くと思われます。株価は上昇傾向でありますが、実体経済はまだ戻っておらず、当面低金利は続くと考えます。従って投資回収の短期化が可能になることから機材の購入、増床、リニューアル、分院展開、開業などの新しい投資には適した時期が2021年も続くと思われます。
力のある医院にとってはよい環境であると考えます。

3.診療の時短を進める医院が増える

近年労働環境の改善、採用力の向上を目的として時短を進める医院が増えました。時短を進めた結果、18時30分~19時頃の終業とされている医院が多くの医院の状況かと思います。
少数の医院では18時終業とされた医院も出はじめています。
おそらく2021年は17時30分終業にチャレンジされる医院も出始めると考えます。17時30分終業となれば18時までには医院を退出することが可能になります。そうなると保育園のお迎えに間に合うということになります。このことにより従来常勤雇用が難しかった産休育休の復帰組の方の常勤雇用が進むと考えます。

4. オンライン診療への取り組み

コロナにより変化進んだことの一つにオンライン化があります。歯科医院の先生方におかれても学会やセミナーがオンライン化された。外部の方に訪問して打ち合わせをしていたものがオンラインで打ち合わせを済ませる。
この流れはコロナが終息しても定着することでしょう。
歯科において現実的なのは「オンライン相談」から普及する可能性があります。例えば矯正治療の「オンライン相談」は増加する可能性があります。
また、アライナー矯正などは治療中も来院の必要性が相対的に低いことから「オンライン診療」との相性がよいです。
この分野も「オンライン診療」が進む可能性があります。アメリカではスマイルダイレクトクラブという会社が通院不要のアライナー矯正治療を提供し既にナスダックに上場するまでの規模に成長しています。
アライナー矯正を強化したい医院様においてはこのような分野の導入も準備しておく必要がありそうです。

5.アライナー矯正の市場は堅調に広がる

近年アライナー矯正の市場は拡大しています。2020年も緊急事態宣言が出ていた4月~5月こそ相談数が減少しましたが、それ以外の時期は2019年と同レベルあるいはそれ以上の患者数が来院していた医院も多くあります。
要因としては下記が考えられます。
・アライナー矯正に取り組む医院が増え、患者の認知度が高まった
・海外旅行に行けない、外食を減らしたということから可処分所得が増えた
・アライナー矯正の品質、機能が向上し、歯科医院が導入しやすくなった
2021年も同様の傾向が続くと考えられます。しかし、都心部や一部の地域では既に競合状況が強くなりつつありますので差別化が必要な時代に入っています。
10年以上前の話になりますが、インプラントが普及したようにアライナー矯正も何年後かには一般的な治療科目になる可能性があるでしょう。

6.予防矯正のニーズが拡大する

ここでは予防矯正とは5~8歳前後の1期矯正の前段階に行う、矯正治療の予防的な治療のことを指しています。
歯並びが悪くなるのを予防するということを目的にしており、口腔内の習癖を改善することにより歯並びの悪化を予防するということになります。
近年こういった予防矯正に取り組む医院が増加し、患者様からの支持も高まっています。
小児矯正は成人矯正と比較すると来院エリアが狭いです。
従って、成人矯正よりも競合関係になりにくいため、成長性が高く、導入することで明らかに伸びる余地が十分にあると考えます。

7.予防歯科の重要性・口腔機能管理の必要性が高まる

2020年4月~6月頃、緊急事態宣言の影響からか定期健診が不要不急の外出と見なされ、予防患者の来院数が一気に減少した時期がありました。特に予防歯科に注力していた医院様におかれては大きな影響がありました。
しかし、2020年12月段階では多くの医院でほぼコロナ前の定期健診患者数に戻っていると言えます。
このことから短期的には予防歯科は影響を受けましたが、長期的には予防歯科の重要性に変わりはないと考えられます。
2020年の診療報酬改定で口腔機能管理加算から口腔機能管理料へと制度が変更され、口腔機能管理の位置づけがより重要なものになりました。
現時点ではまだ算定されていない医院もあるかと思いますが、今後より重要視されている分野であると考えられます。2022年の診療報酬改定時にはさらに重要な位置づけとなり診療報酬も上がる可能性があります。
まだ導入されていない医院様は、2021年中に診療の流れへの組み込みを行い、2022年の診療報酬改定までに対応できる体制をとっておくべきかと考えます。

8.訪問診療の必要性はますます高まる

高齢化が進むと共に訪問診療の必要性は高まると言えます。現在外来に来院されている方が来院できなくなり訪問診療を希望されるケースも出てくると考えられます。
特に高齢層が患者層の中でも多い医院、あるいは高齢化が進んでいるエリアの医院におかれては地域貢献の観点から訪問診療に注力できる体制を整えておく必要性が高まるでしょう。

9.インプラント・保険外義歯のニーズは横ばい傾向が続く

インプラントは近年横ばい傾向が続いており、今後も横ばい傾向が続くと考えます。インプラントに注力する医院は減少傾向にありますので、技術力の高い少数の医院がインプラントを行うようになり、患者はインプラントを希望する場合は、インプラント専門医院に通うという形になっていく可能性があります。
保険外義歯は注力する医院の増減が少ないため、技術力の自信のある歯科医院であれば患者に貢献できることは確実であると考えられます。

10.採用の難易度が高まる

2020年4月頃の緊急事態宣言の頃は一時的に採用はしやすくなった時期がありました。しかし、歯科衛生士、歯科助手の採用に関してはコロナ以前の状況に戻っていると感じます。2021年も引き続き採用が難しい状況が続きそうです。
医院側としては労働条件の改善(給与の向上・時短・有給休暇の取りやすさ・産休育休の取りやすさ)が必要になるでしょう。同時に仕事のやりがい(自院に勤めてどのような仕事ができるか、どのような技術が身につくか、どのような仲間と仕事をするのか)を見直していく必要もあります。

また、上に書かせていただいた各種テーマに関するセミナーを弊社では予定しております。
最新のセミナー情報は下記よりご覧ください。
https://dental.funaisoken.co.jp/seminar/
本年も1年間何卒宜しくお願い致します。

同じテーマで記事を探す

この記事を書いたコンサルタント

松谷 直樹

プロフィール詳細

売上、利益の向上を大切にしながらも、「本当に患者さんに喜んでもらえる歯科医院作り」をコンサルティングの第一の目的に している。 「歯科医院は患者さんに喜んでもらえるためにある」「経営ノウハウは患者さんに喜ばれるような歯科医院作りのために活用するべきだ」という信念を元にコン サルティングを実施。 実現可能な提案と口頭だけでなく提案内容を実際に現場に落とし込み、実行するコンサルティングのスタイルを実行している。

ページのトップへ戻る
×