【速報】2024年度診療報酬改正 検討資料からの考察(その2)
- コラムテーマ:
- 診療報酬改定・保険改正
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今回は、来春に予定されている 2024年度診療報酬改正の検討状況から読み取れる時流予測について考察をしてまいります。
本記事は、前回に続いた内容ですので
『【速報】2024年度診療報酬改正 検討資料からの考察(その1)』
も先にご覧ください。
<議論の構成トピックス>
1.歯科医療の現状
2.病院における歯科の機能に係る評価
3.医科歯科連携、医歯薬連携
4.ライフステージに応じた口腔機能の管理
5.障害者・有病者・認知症の人への歯科医療
本コラムでは、「医科歯科連携、医歯薬連携」にて記されている内容についてです。
この“連携”というフレーズは数年前から現場レベルでは言われてきており、船井総研としても名古屋を拠点に幅広くご活躍されている押村先生が率先垂範する医科との連携をご紹介する機会を企画してまいりました。
しかしながら、まだまだ医科でも歯科でも業界内では抽象的な捉え方が根強く、誤解を恐れずに表現すると“絵に描いた餅”状態だと言わざるを得ません。
そういった実態も有識者は把握したうえで、次回の制度改正から少しずつ具体的な連携ユースケースを明示してくるのだと考察しております。
その一例として、糖尿病患者に対するものがあり、これまでは歯科の現場が「糖尿病患者は一般人に比べて歯周病の進行が著しく残存歯を守るために積極的に歯科処置をしていきたい」と声を上げてきたと思います。だからこそ、医科目線で糖尿病を治療するという観点では、歯周病を含む口腔内の事象は二の次であったのだと推察します。
そんな中、中医協の検討資料の中に既に 糖尿病患者に対して歯周病治療を施すことでHbA1cのコントロールを良好にする(エビデンスの確実性:高、推奨の強さ:強く推奨)と記される様子です。
これは医科の糖尿病治療を施す患者を治療プランを立案する段階で歯科処置も組み込んでいくであろうと考えられ、病院だけではなく地域の糖尿病内科から直接的な紹介(患者送客)が積極的に起こってくると考察できるわけです。
そんな時、紹介先として選ぶ歯科医院として、診療コンセプトや歯科衛生士体制をみられるのか、アクセス等の諸条件面をみられるのか、はたまたその両面なのかは分かりませんが対外的なアピールやWeb検索で認知されるよう対策を施しておかないと、医科から連携してくれる絶好の機会を逃すことになりかねないでしょう。
また、医科と歯科の連携は糖尿病だけではなく、周術期患者に対するものもより明確に示唆されるであろうと言える記載がありましたし、病院を退院した後の在宅医療患者に対する歯科処置の重要性にも触れられているので、少し広義な意味での看取り体制の一環に歯科も重要な役割を担っていくような流れ(ニーズ)が出てくると予想できます。
そして、新たに出されたキーワードとして 医歯薬連携とありました。
以前より、薬剤性顎骨壊死の原因となる投薬にあたっての歯科受診の紹介はあったかもしれませんが、それ以外にも唾液分泌を抑制する副作用が分かっている投薬患者への口腔内管理や薬物性歯肉増殖症の作用を鑑みた口腔内管理もより医科から歯科へ連携を促すことの優位性を明確にする記載があり、その橋渡し役となりうる調剤薬局の薬剤師の活躍が示唆されています。
医科と歯科と調剤薬局とで、受診する医療機関を指定することは難しいかもしれませんが、患者に受診を促すにあたっての医療機関の選び方を示唆するような現場での動きは始まってくると考えられますので、地域の歯科医院として本時流を理解している立ち振る舞いをしていくことで、治療に対する目的意識が高い患者獲得ができる可能性があることは、マーケティング視点でもかなり重要であり、時流適応していくべきポイントと言えるでしょう。
次のコラムでも、他トピックスについて考察してまいりますので、是非ともご覧ください。
◾️この記事を書いたコンサルタント
眞野 泰一
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