社会保険診療報酬支払基金における審査基準の全国統一化開始に伴う留意点

2021年11月05日 (金)

コラムテーマ:
保険制度

皆さま、こんにちは。
船井総合研究所の坂下です。

ご存じの先生も多くいらっしゃるかと思いますが、2021年9月よりレセプト請求の審査基準における審査支払新システムが稼働されました。それに伴い、これまでは特に問題なかった請求が、当然返戻にあったという先生もいらっしゃるかと思います。

こちらについて、目的と内容を平たく説明させていただきます。

支払基金は支部が各都道府県に設置されており各支部において、請求の審査を行っておりますが、これまで審査基準において、いわゆるローカルルールといわれる地域ごとに請求ルールがありました。今回の取り組みはこれらを是正し、地域にかかわらず同様の請求ルールに統一化しようという動きです。統一するための方法としては、全国で共有のルールに基づいたAIを活用したレセプトの自動振り分けになります。

これにより、これまでは請求出来ていたものができなくなるというものが一部でてくる可能性があります。

どのような部分が変わるのか。詳細については、社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供事例に記載されておりますのでご確認ください。

多くの医院にとって大きく影響を及ぼす部分としては、初診・再診におけるルールかと思います。こちらは昨今の診療報酬改定の中でも触れられている部分ですが、「実態に沿った請求を」という面が強く、いわゆる再初診での定期健診に関しての審査が厳しくなり、他方で、歯科疾患管理料の加算項目に長期管理加算の新設やか強診の施設基準の設置、SPTやP重防といった算定項目の新設、口腔機能管理などの拡充も再診における継続診療への誘導だと考えられます。
これらは、既に各医院でもご対応いただいているかと思いますが、成人同様に小児についても、継続的な診療を行う場合の再初診のルールが厳格化されてきております。小児診療においても、成人同様継続的な診療を行う場合は、再診での算定が求められてきますので、まだ対応できていらっしゃらない医院様はこれを機に見直していただくことをお勧めします。

特に、小児診療においてはか強診の施設基準を満たしている場合、「エナメル質初期う蝕管理加算」でC管を行うことや、小児口腔機能管理の活用など、新たなメインテナンスの形があり、単に数か月に1回フッ素を塗って終わり、というわけではなく、そのお子さんの口腔内の状況に応じた対応も、これから求められてきます。

成人においても小児においても、予防に関する分野は診療報酬改定や今回の審査基準の統一化における影響を多く受ける部分であるとともに、今後の社会問題解決のためにも重要視されている部分でもあります。

弊社で開催させていただいた予防セミナーにも多くのお申込みをいただきましたが、今後の歯科において予防分野は大きな可能性があります。
まだ、未着手の医院様はぜひともお早めに対応を検討してみてください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

【執筆者:船井総合研究所 坂下大樹】

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この記事を書いたコンサルタント

坂下 大樹

プロフィール詳細

船井総研入社後、呉服業、クリーニング業、家事代行業といった女性が活躍する業界
でのコンサルティング業務に従事し、女性マネジメントの研究を行う。
現在は、歯科医院のコンサルティングに従事し、歯科衛生士採用のコンサルティング
をメインテーマとする。全国の歯科衛生士学校をまわり、学校現場のリアルな声を反
映させた採用ソリューションには定評がある。
また、業界未経験の歯科助手の教育やモチベーションが上がる組織作りを得意とし、
全国の歯科医院に笑顔を届けている。

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