【緊急速報】令和6年度(2024年)小児口腔機能管理の重要性とその実践へのガイド~診療報酬改定の項目詳細の読みとき⑦~

2024年02月07日 (水)

コラムテーマ:
診療報酬改定・保険改正

船井総合研究所の山本喜久です。
皆さん、いつもメルマガやコラムをお読みいただき誠にありがとうございます。

本コラムでは、令和6年1月26日に公開された2024年度の歯科診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会総会(第581回)の議事次第をもとに、最新の診療報酬改定情報をお伝えさせていただきます。
今回の改定における大きなポイントは下記の項目になります。

1. 現行の「か強診」が削除され、「口腔機能管理体制強化加算」に全面移行
2.「外来環」が廃止され、「歯科外来診療医療安全体制加算」と「歯科外来診療感染対策
加算」の2つに分けられ、より高い水準の施設基準に変更
3. 「医療DX推進体制加算」や「オンライン初診・再診料」などが新設
4. 医科歯科連携に関する範囲拡大
5. 訪問診療の区分の細分化および算定範囲の拡大
6. 歯科技工士との連携加算の新設
7. 矯正相談料の新設

本コラムでは、診療改正によって「今後求められる小児口腔機能管理」について整理させていただきます。

歯科医院の運営において、小児口腔機能管理は非常に重要なテーマです。この分野への注目度は年々高まっており、診療報酬改定においても、現行のか強診の施設基準の要件に口腔機能管理料の算定実績を含んだものが「小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算」の施設基準へ移行しました。現状か強診を取得している医院様でも、加点を維持するためには口腔機能管理の実施が必須になります。ここでは、口腔機能管理の中の「小児口腔機能管理」を取り上げ、その背景、現状、そして実践的な取り組み方法について詳しく解説します。

小児口腔機能管理の重要性

口腔機能発達不全症は、子どもたちの健やかな成長に必要不可欠な口腔機能の正常な発達を妨げる疾患です。現段階では、小児の歯科疾患管理料の算定件数に対する小児口腔機能管理料の算定件数の割合が4.9%であり、多くの歯科医院がこの問題に直面しながらも、適切な管理を行っている歯科医院はまだまだ少なく、ここに大きな改善の余地があります。

現状と課題

私たち船井総研がサポートさせていただいている小児口腔機能発達不全症への対応を早期から開始している歯科医院は、患者満足度が高く、経営面でも高い成果を出しておられます。これは、早期介入による治療効果の向上と、保護者からの信頼獲得につながり小児集患にも効果があるからです。今回の保険改定で、口腔機能への言及がされていることから、今後の時流として「口腔機能を診る」ことは必要不可欠なものになっていくと考えられます。下記のアプローチで明日から取り組まれることをおすすめします。

今後歯科医院が求められる小児口腔機能管理に必要なこととは?

必要な事は
①対象年齢の絞り込みと声掛けツール
②チェックシートの利用
③お口ぽかんに注意
の大きく三点です。

①対象年齢の絞り込みと声掛けツール
小児口腔機能管理料は口腔機能の発達不全を認める18歳未満の患者に対して、正常な口腔機能の獲得を目的として診療を行った場合に算定できますが、対象年齢を絞り込むことをおすすめしています。年齢を絞ることでスタッフが取り組みやすい状況を作り、受付でツールを用いて声掛けをしてアプローチをしていきます。

②チェックシートの利用
日本歯科医学会が提供するチェックシート(https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r02/document-220512-1.pdf)を活用し、口腔機能発達不全症の評価をしていきます。小児口腔機能管理料は歯科疾患管理料(歯管)または歯科特定疾患療養管理料(特疾患)を算定した患者でかつ、口腔機能発達不全症と診断され、正常な口腔機能の獲得を目的として継続的な指導および管理を実施する場合に月1回100点を算定できます。口腔機能発達不全症の判定基準は「離乳完了前」と「離乳完了後」に分けられているので、それぞれのチェックシートにて診断を実施します。

③お口ぽかんに注意
「お口ぽかん」と開けている子どもは、口腔機能発達不全症と診断される可能性が高い傾向があるため、これを一つの警告信号と捉え、優先的に評価することが推奨されます。このような視覚的にわかりやすい指標は、診療スタッフにとっても分かりやすく、効果的な対応へとつながります。

小児口腔機能管理から更なる取り組みへ

小児の口腔機能管理は保険診療内での取り組みに加え、カウンセリングの仕組みを整えることで、自費治療への橋渡しも可能になります。これにより、歯科医院の経営面でのメリットはもちろん、子どもたちの成長にも大きくサポートができます。
小児口腔機能管理は、単に疾患への対応を超え、子どもたちの健康な成長と発達を支援するための重要な取り組みです。日々の診療で子どもたちの口元に注目し、算定できる院内体制に一歩進んでいただきたいと思います。
最後に、私たちが主催する小児歯科・矯正経営研究会では、このテーマに特化した勉強会を定期的に開催しています。実践的な事例やコンサルタントからのワンポイントアドバイスなども提供しておりますので、ぜひご参加いただき、貴院の小児口腔機能管理の後押しとなれば幸いです。

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◾️この記事を書いたコンサルタント

山本 喜久

プロフィール詳細

関西学院大学法学部出身。新卒で船井総合研究所に入社。
大学時代から、難関校専門の塾講師として活躍。その時の経験から「人に教える」ことを最も得意とし、それを応用したカウンセリング体制の構築には定評がある。経営者に寄り添いながら、粘り強く「歯科医院経営者の夢を叶える」ことをコンサルタントとしての信条としている。

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