「国民皆歯科健診」が歯科医院経営に及ぼす影響とは

2022年06月15日 (水)

コラムテーマ:
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船井総合研究所松谷直樹です。

2022年6月7日、閣議決定した経済財政運営の指針「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)に「国民皆歯科健診の具体的な検討」というキーワードが入りました。

今回はこちらの「国民皆歯科健診」が施行された場合、歯科経営にどのような影響があるのか、ということについて検討してみます。

本稿を執筆している6月14日現在においては、「国民皆歯科健診」は決定事項ではなく検討事項でありますので、仮説ベースでの検討であることを前提とさせていただきます。

ここで言われている「国民皆歯科健診」とは「生涯を通じた歯科健診」ということを示しているようです。

前後の文脈があった方が理解しやすいと思われますので、下記に本文を転記いたしますと
「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。」
(「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)から引用)
と記載されています。

この文章は「2. 持続可能な社会保障制度の構築」という項目の中に記載されており、社会保障制度を維持・継続運営していく上で必要な取り組みという意図があると思われます。

つまり、国民皆歯科健診は持続可能な社会保障制度のために必要な施策の一つと考えられたと思われます。

さて、現時点では歯科健診は出生時から高校生までは歯科健診が義務付けられていますが、それ以上の年齢になると義務付けられておらず、自治体や企業などによって歯科健診の制度は異なる状況となっています。

国民皆歯科健診が施行された場合、予測されることは健診結果に基づいて受診患者が増加する可能性があることです。

特にカリエス患者よりも歯周病患者が増加する可能性があると思われます。

なぜかというとむし歯が主訴の場合は、健診にかかわらずすでに受診をしているケースが多いと考えられるからです。

一方歯周病の場合、自覚症状がないことから健診結果で歯周病の状態が把握され、治療を開始する層が出てくると思われます。

この場合、以下の事象が発生することが予想されます。

・歯周病治療、予防の充実した歯科医院が選択されやすくなる
・歯科衛生士の人数や技術、熟練度などを患者さんが選択したいと考えるようになる
・保険適用で毎月歯周病や虫歯予防のメンテナンスを受けやすいとされている「かかりつけ歯科医強化型歯科診療所(か強診)」を届出ている医院が選ばれやすくなる可能性がある

また、今回「生涯を通じた歯科健診」というキーワードが入っていることにも注目します。
このことは、介護施設への入居者、在宅医療が必要な人たちも対象にすると考えられます。よって施設や居宅に訪問する形での健診の実施もあると言えます。
このことにより、訪問歯科の需要も増加すると考えられます。
特定の年齢層を対象にした歯科医院でない限りは、訪問歯科についてどのように取り組んでいくべきかということを直近1年程度の間には方向性を決めておくべきかと考えます。

2022年6月14日現在においては、国民皆歯科健診について、どのようなスケジュールで進めていくのか、財源はどうするのか、実施主体はどこになるのか、国民への案内方法はどのような形式になるのかといった具体的な論点に関しては未確定の状況ですのであくまでの現時点での仮説として述べさせていただきました。

弊社船井総合研究所歯科チームとしましては、患者様にとって有益な歯科医院づくり、国の方向性に沿った(持続可能な社会保障制度を実現する)歯科医院づくり、医院経営者にとって持続可能な歯科医院づくりを目標にサポート活動を行ってまいりたいと考えています。

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この記事を書いたコンサルタント

松谷 直樹

プロフィール詳細

売上、利益の向上を大切にしながらも、「本当に患者さんに喜んでもらえる歯科医院作り」をコンサルティングの第一の目的に している。 「歯科医院は患者さんに喜んでもらえるためにある」「経営ノウハウは患者さんに喜ばれるような歯科医院作りのために活用するべきだ」という信念を元にコン サルティングを実施。 実現可能な提案と口頭だけでなく提案内容を実際に現場に落とし込み、実行するコンサルティングのスタイルを実行している。

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