【船井総研】「歯科業界の大きな変化~人材採用編~」
皆さん、こんにちは。
船井総合研究所の坂下大樹(サカシタ ダイキ)です。
いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
今回のテーマは、採用活動の新常識についてお話させていただきます。
2020年は、歯科業界にとっては切り離せない“診療報酬改定”があり、その中でも、
大きな変化がもたらせることは、これまでのメルマガにも記載されております。
こちらについては、随時発信させていただきます。
ただ、どちらにしても“診療報酬改定”で起こる時代の波になり切れるか否か、
これが今後の歯科医院経営にとっても、これからお話させていただく「採用」に
ついても重要になってきますので、今後も注視していただければと思います。
さて、今回お話させていただく“採用の新常識”についてですが、
それは「求人の大半が“紹介会社”経由になっている」ということです。
昨年に求人活動、特に新卒採用に力を入れられている医院様では、
肌で感じている部分もあるかもしれません。
これまでも人材紹介会社からの求職はありましたが、昨年は特に新卒採用においても
顕著に増加しているように感じられたかもしれません。
「紹介会社からくる人って自分で探す力がない人でしょ?」
「紹介手数料がバカにならないし、わざわざ紹介会社で採用する必要ない」
このようなお考えの方もいらっしゃるかと思います。
現在、採用に困っていないのであれば問題はないですが、採用に苦戦している中で、
紹介会社を毛嫌いされているのであれば、考え方を変えていただいた方がよいです。
というのも歯科業界(今回は歯科医師、歯科衛生士の有資格者)では、
紹介会社経由での求人もこれまでもあったものの、学校経由の求人や
ポータルサイトを経由した求人が中心で行われていました。
また、採用に積極的な医院様では、採用専門サイトの製作や就職説明会への参加など、
他院との差別化を図ってこられたと思います。
しかし、現状は超売り手市場であり、求職者はより良い条件・より自分にあった医院を、
と表面上の条件だけではなく、本質をみて就職先を探すように変わってきています。
また、各医院がポータルサイトや採用サイトの活用を積極的に行い、採用市場に情報が
あふれるようになったからこそ、その中で自分とマッチする医院を探すことが
難しくなったことも相まって、紹介会社を利用する求職者が増えたことが考えられます。
また、近年SNSなどの発達もあり、マッチングサービスなどに抵抗がなくなっている
世代が増えていることもその要因の1つと考えられます。
歯科衛生士専門学校では、就職活動は紹介会社に任せて早く済ませ、試験勉強に集中
するように指導している先生もいらっしゃるそうです。
それでは、そういった中で各医院はどのように求人活動を行えばよいのか。
以下の2つをご紹介させていただきます。
(1) ダイレクトリクルーティング
近年、採用市場ではよく耳にされることもある手法ですが、求人広告出稿や採用サイトを作るという守り(受動的)の採用方法ではなく、スカウトメールを送ることや就職説明会への参加といった攻め(主体的)な採用方法を指します。
上記の例は、すでにやっているよという医院様も多いかと思いますが、本質的には求職者だけにアプローチするのではなく、転職潜在層へアプローチすることです。
一例としては、FacebookやInstagramといったSNSを活用し、そこに医院情報(スタッフ主導のもの)を発信することで、潜在的求職者のファンを獲得することや、歯科医師や歯科衛生士のスタディグループを作り、そこから獲得する方法などを上手に活用されている医院もございます。
紹介会社やポータルサイトなど既存のコミュニティに対してアプローチする方法もありますが、医院独自のコミュニティづくりによる潜在的求職者の獲得が重要です。
(2) リファラル採用
こちらの採用方法は欧米では積極に取られており、近年では日本でも増加している手法ですが、「リファラル=推薦する」という意味で、従業員が従業員を紹介する制度です。有資格者の多くは学生時代のコミュニティやスタディグループなどをもっていることもあり、歯科医院にとっては大変有用な方法です。
紹介会社を経由すると、年収の20%相当の紹介料が発生しますが、この方法だと採用コストはゼロです。また、自院を紹介するということは、最低限問題がないと思える方を紹介していただけますし、紹介された方も知り合いがいることで安心して働くこともできます。
この方法を促進するために、社員紹介制度を作り、紹介者・被紹介者ともに紹介料をお支払いするなどが必要です。
ただし、自院を紹介するということは、従業員満足度が高くなければ実現できません。いかに、紹介したいと思える医院を作れるかが肝になります。
以上が、近年注目されている採用手法です。どちらについても、医院に対する満足度などの本質的な価値があるかどうかが重要になります。採用は手法論ではなく本質的価値の向上です。
いかに、自院が魅力的な労働環境なのか、単に労働条件だけではなく、安心して長期間働くことができるような制度、多様化したキャリアビジョンを享受できるような評価制度など、採用をしていくためにはこういった環境を見つめなおす必要があります。
2020年がはじまって1ヵ月。求人難を乗り越えるために、今一度自院の環境について見直してみてはいかがでしょうか。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
【執筆者:坂下 大樹】
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