新しい出会い‐歯科医院経営のツボ‐

2013年03月30日 (土)

コラムテーマ:
院外マーケティング

皆さん、こんにちは。
船井総合研究所の歯科チームです。
 
春は出会いと別れの季節でもありますが、
私も4月からまた新しい医院様とのお付き合いが始まりそうです。
 
この医院様は開業から20年以上経っており、
既存の患者様はある程度いらっしゃるようですが、
新規の患者様が圧倒的に数が少ない。
 
船井総研では全国のご支援先のデータから、
ユニット1台あたり8名を新患数の適性値として考えるので、
それに照らし合わせると非常に厳しい状況です。
 
開業から長年経っている医院の特徴として、
全体の患者様の構成比で新患数の占める割合が少なくなることは、
ある程度仕方がないことなのですが、
足下をしっかりした医院経営をしていくためにも、
新患数は一定数確保する必要があります。
 
この場合ひとつの手段として、
WEBを使って広域に情報発信をし、
診療圏を拡大するという方法が考えられます。
 
しかし、遠方の患者様にご来院いただくためには、
この医院に治療を受けにくる理由=強み」を
訴えられる医院でなければいけません。
 
当然、診療も保険ではなく自費になってくるのですが、
他の医院と同じような診療メニューを揃えているだけでは、
全く差別化ができません。
歯科医院経営のノウハウが各セミナーや書籍で普及したことで、
医院モデルの同質化はすでに始まっています。
 
例えば、自費の補綴(ほてつ)が世間で認知されていない頃には、
診療メニューを見える化するだけでも自費がでていましたが、
現在の歯科業界でその対策だけでは正直難しいです。
 
選択肢や情報が増えたことで、
魅力のない医院では患者数は減るばかりです。
 
そこで、船井総研では医院の特色をだすための手段として、
自費メニューの一つを全面的に打ち出し、
医院のブランディングをはかっていくことをご提案させていただいております。
 
この院長先生も義歯強化での経営相談だったので、
その方向でご提案させていただこうかと思っておりましたが、
よくよく話を聞くと、まずは自費に移行していく体制を整える必要があるようです。
 
保険から自費への移行は患者数の減少というリスクがともないますし、
「あそこの医院は不当に高い金額を請求している」
と悪い口コミが発生する可能性もあります。
 
また、根本の考えとして、
経営のために自費率アップするという考えではなく、
患者様のためにという視点は絶対に忘れてはいけません。
 
他にも課題は多くありますが、
数値を把握しながらしっかりと優先順位をつけて基盤を整えていきます。
 
決断力のある院長先生なので、4月からが本当に楽しみです。

◾️この記事を書いたコンサルタント

歯科コンサルタントチーム

プロフィール詳細

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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