院内マネジメントがうまく回ることで院長のストレスも軽減していったように思います
医療法人社団 F&C 香川大学前はこざき歯科医院 箱崎達司様
【医院紹介】
はじめまして。今回会員レポートを担当させて頂く事になりました、香川大学前はこざき歯科医院の箱崎と申します。みなさまに少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思います。
1.医院紹介
当医院は香川県高松市で2011年に開院し、現在に至っております。
香川県高松市は人口42万人ほどで238件の歯科医院があります。
1院当り人口1764名で全国平均は約1870名というデータがありますので、通常の地方都市、というところです。
その中での当院の立地条件ですが、高松駅から徒歩で15分ほどの場所にあり、住宅街の入口で国立大学の香川大学の正門の目の前という場所にあります。従って来院患者さんの1/3は学生さんです。
2020年現在は常勤Drが自分一人。他に非常勤として小児歯科専門医、矯正専門医、麻酔専門医、外科専門医の先生に必要に応じて診療していただいております。
スタッフは衛生士が5名(うちパート1名、正社員4名)歯科助手が2名(正社員1名、パート1名)です。ユニットは5台です。
医院の特徴は矯正、インプラントを軸に診療クオリティの高さをベースにオールラウンドな治療を行えることを強みとして診療を行っております。
2.開院から現在までの歴史
大学を卒業後に補綴科に5年在籍し、さらなる学びのために東京で勤務し、縁あって複数人で法人をシェアして分院展開する、という経験をして、前述のように当地での開院となりました。
開院当初はユニット3台、スタッフ4人(正社員歯科助手2人、パート衛生士2名)でスタートし、分院展開時代にコンサルタントの方と一緒にお仕事をさせていただいたりという経験もあり、開院当初からある程度の売上と30%ほどの自費率をキープしていたため、コンサルタントに依頼する、という予定もなく、可もなく不可もなく、といった形の売上で推移していきました。
ところが、開院から3年後のあることがきっかけで本格的に医院運営について考える必要に迫られました。
そこで、知り合いの先生が船井総研の松谷様にコンサルタントとして指導していただいておられたことで紹介いただき、2014年から当院をみていただく経緯となりました。
当院の現状を分析していただき、ある程度のベースがあるとのお言葉を頂いたことで、まずはカウンセリングの精度の向上やHPの充実などから取り組んでいきました。
幸い当院は開院当初から朝礼、昼ミーティング、終礼と一日3回のミーティングを行っていたことや医院の方針などがある程度あったことから導入はスムーズに行うことができました。
また、松谷さんから決して「こういうやり方で行きましょう!」という押し付けはなく、自分のやりたい形を尊重しつつ、その中で最適解を出していただく提案にやりやすさも感じております。
例えば当院は一人の患者さんに時間を掛けるスタイルですが、「もう少し効率上げたほうがいいですかね?」と尋ねると「うちの医院の強みはこのスタイルですから、むしろこのままの形でいきましょう」といった形です。
HPの再製作に始まり、当院の強みであるインプラントを知っていただくことを主軸にするため、インプラントサイトの製作、アドワーズ広告の管理、スタッフ採用から教育までとまさに医院運営に関わるすべてのことをご指導いただき、院内マネジメントがうまく回ることで院長のストレスも軽減していったように思います。
また、新しい技術の導入などもどのようにスタッフに伝えるか、更には患者様にどうカウンセリングするかまでを構築していただけるため、自分のやりたい診療をスムーズに導入できていくことも非常に助かっております。
自費根管治療、MTAによる歯髄保護、自費メインテナンス、などなど非常にいい診療方法ですが、患者さんに請求する「費用」でつまずくことも多いのではないでしょうか。
当院では松谷さんにその部分を指導していただけることで、スタッフもまた医院の治療システムに自身を持って説明できる、という良い循環が生まれたように思います。実際に松谷さんに来ていただいた翌年は前年比27.5%の売上増加を達成し、いかに自分の精度が低かったのかを実感しました。
診療時間も開院当初は診療終了を19:30までに設定しましたが、院内の安定が図れたことで18:30、18:00と早く終了できるようになり、今年度には更に診療終了時間を早くするよう計画しております。
3.FDIについての感想
他のメルマガの執筆の先生もお書きになられておられましたが、院長というのは孤独であり、その立場をスタッフなどに共感してもらうこともなかなか難しいと考えております。そこを解決するために多くは歯科医師会のような組織に身を置くか、知り合いの先生同士で交流をするなどするかと思いますが、医療の特性として「経営」の面では本音で相談しづらいものです。そこで同じ志を持つ仲間の場としてFDIは非常に有用な集まりと考えております。
書籍やSNSなどで現在は多くの情報を手に入れることができますが、その真偽や効果の程について、また細かなエッセンスは直接の会話から得られるものが多いと思います。
そして何よりアワードの先生は非常に強い「パワー」をお持ちで、その一端を見せていただくことでモチベーションがぐっと上がりますので、翌日からの取り組みに一層力が入ることも間違いないと思っております。
4.今後の目標
まず1つ目として、当院は現在安定した状態にあると考えております。しかしながらスタッフはどうしてもある程度の割合で離職等が発生していくものですので、医院の経営状態を良くして余裕を持った人員配置と採用の仕組みの構築が重要と考えております。そこで採用専門のHPの制作、衛生士学校へのつながりの確保、衛生士、歯科助手以外で保育士や管理栄養士などの士業の方を採用し、活躍できる場を作ることを構想に入れております。
2つ目として、医院の診療の強みをもう一つ作ります。現在当院はインプラント、矯正に強い医院として運営されておりますが、3本目の柱として義歯等を加え、よりよい医療を提供できる取り組みをスタートし始めております。そのためにHPの製作からアドワーズ広告などへの掲載などを行い、安定した医院の「強み」を出し続けていきたいと考えております。
そして3つ目は自分自身のあり方をもう一度見直そうと思っております。前述しましたようにアワードの先生は素晴らしいパワーをお持ちで、構想したことを実行できる力に長けており、そしてそこが自分に一番弱い部分であると感じています。多くの取り組みを提案していただいているにも関わらず、実行できていないことが多々あることから、「取り組みを実行するための取り組み」として、例えばPDCAを医院全体として回す仕組みづくりなどの、会社として必要な根本の部分を強化していきたいと考えております。それは上記の2つの結果を出すことにもつながると思っています。
歯科界を取り巻く状況は決して楽観視できる状況ではありません。保険診療の制限、金属の高騰、採用困難な時代。。。上げていくとキリがありませんが、その中で生き残り、結果を出す医院であるように10年、20年先を見据えた取り組みをしていきたいと考えております。
お読みいただきありがとうございました。今後とも精進を重ねて医院を繁栄させ、FDIの皆様に還元できるように今後とも取り組んでまいりたいと思っております。
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