新しいコンセプトの小児矯正

2018年04月21日 (土)

コラムテーマ:
自費診療 (増患 集患)

【新しいコンセプトの小児矯正】

いつもブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。船井総合研究所の歯科コンサルティングチームでございます。
今回は、現在、新たな市場として成長している予防矯正という存在についてお話しようかと思います。
もちろんご存知の方もいらっしゃると思いますが、「なんだそれ?」と
思われる方も多いかと思います。
しかしながら、その予防矯正のご質問や予防矯正をやってみようという
医院様が増えてきていることも事実です。
まず、何事も、どこの市場でも流行が起きるにあたって
その源流=原因はあります。
今回のメールマガジンでその原因を探りつつ、どのような治療であるのか?
という部分まで触れさせていただければと思います。
予防矯正とは既存の治療でいうのであればMFTなどの口腔機能訓練に
近い存在となります。口腔機能訓練といえば診療報酬改定により
小児口腔機能管理加算が起こりましたね。
いわゆる、従来のようなワイヤー矯正も正しい治療ですが、
歯並びが悪くなる原因である口呼吸などの呼吸異常や嚥下異常など
口腔機能異常をお子さまの頃から治療することで悪い歯並びを予防しよう
という治療となります。
この治療の特徴と致しまして、審美面だけでなく、お子さまの成長に関わる
異常を予防することになりますので、健康的な正しい成長を促す事もできる
非常に社会性の高い治療となっていることです。
矯正器具だけではなく、口腔機能訓練を織り交ぜたアクティビティを
一緒に行うこともこの治療の特徴となります。
正しい訓練で悪習癖を取り除き、歯並びと成長、いわゆる「審美・健康」を
治療し、正しい未来に導こうという治療でございます。
このような治療が存在したとしても、患者さんから求められている
治療なのか?ニーズに正しくあてはまるのか?という疑問が
生じること思います。
少し市場背景を見つめつつ、ニーズの確認をしてみましょう。
◆少子化・共働き・小児のカリエス減少によって起こる市場の変化
現代では、昔といわずに、つい10年、20年前と比較してもカリエスの
割合が大きく減少したと実感されている医院様も多いかと思います
そして、カリエスの減少だけでなくその他の要因として、少子化や共働きと
いうワードが市場の変化を感受できる背景となっております。
1.少子化・共働きによる1人当たりの子どもにかける金額面の増加
現在、人口減少により日本全体が悩まされていることは周知の事実です。
その影響で、少子化・共働き・女性の働き手増加などの要因が多くなり、
それにより子供にかける育成金額の増加(正常財)が見られます。
もちろん、両親だけでなく団塊の世代である祖父母までもが財を育成費用に
かける傾向が強く見られるようになっていることも言うまでもありません。
2.小児のカリエス減少による「予防の意識」増加
現在、小児(5~12歳)のカリエスが減少しており、この24年間で
割合を見てみると半分にもなっているというデータがフィリップスからも
出ております。
そして、歯科へ通う治療内訳を見てみるとサンプル数3,000強もの割合で
見ても定期健診が85.4%、そしてフッ素塗布(これも定期健診に含まれる
かもしれません)が次いで54.0%。むし歯治療は23.9%とかなり減少しており、
その代わりに予防治療の割合が大きく増加していることが分かります。
今後もこの割合は増加していくと予想されております。
3.マスメディアの報道&消費者行動の変化
現在、私たちの生活はマスメディアやインターネット抜きでは語れない存
となっており、スマートフォンをはじめとした電子機器媒体で情報を
仕入れる消費者がほとんどとなってきました。
今日、マスメディアにおいて『口呼吸』『歯並びは審美要素だけでなく
健康にも影響』といったような審美に留まらない口腔への危機訴求により、
消費者の中でより一層、子どもの歯並び・健康への危機感は強まって
きています。
また、インターネットの普及により、今日のような受信情報だけでなく、
自らも子どもの審美・健康治療に興味を持った際に、気軽に矯正の金額や
内容などを比較できるようになりました。
その結果、消費者の中での矯正分野の敷居が低くなり、
矯正分野の市場の拡大への影響を与えることとなりました。
以上だけではありませんが、時代の変遷によって小児の
「予防」「矯正」「健康」という分野の需要拡大に影響を与えている
ことが分かります。
だからこそ、「予防矯正」「口腔筋機能訓練」というワードが
歯科市場の中で飛び交うようになり、類似したメカニズムの
小児口腔機能管理加算という報酬改定が今、起きた事実である
のではないでしょうか。
◆予防矯正の今後と医院と患者さんのメリット
以上までで、予防矯正の市場背景というものは意識していただけたか
と思います。
そして、その上で実際に患者さんのニーズが高いことも背景からも
読み取ることができます。
こちらの矯正の内容に関してはまた次回の私のブログ、しばらく空きますが書かせていただきたいと思います。
 

◾️この記事を書いたコンサルタント

歯科コンサルタントチーム

プロフィール詳細

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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