歯科医院経営コンサルティングレポート
今回担当させていただきますのは、船井総合研究所の高野聖義(昌則)です。
歯科医院の経営状況を考えると自費診療というのは必須であると言えます。
一日治療できる患者数には限界があり、医業収入をアップさせるためには単価
アップが必要です。保険診療の中で単価アップを行う場合、クラウン・ブリッ
ジのような補綴部門で大きな治療を行う、訪問診療など一般診療外の診療行為
を付加させるような方法が考えられます。
しかし、このような対処には限界があります。保険収入でドクター1名で1億
円を目指そうとするならば、一日約60人くらいの診療を行う必要があります。
このような診療スタイルをこなせる先生はごく一部だと思います。
肉体的にもハードですし、スタッフの労働量も過酷になります。
となると、やはり自費診療ということになります。
ある医院では、矯正歯科を自費診療の中心に据えたことで、収益性がアップし
ました。それ以前は補綴部門で自費治療を行うことで単価を上げていたのです
が、院長先生の目標としている治療スタイルと少し違ってきたためと、補綴中
心で技工物の原価がかなり大きくなってきたため、矯正中心の治療スタイルに
変化させました。結果としては、医業収入が若干伸び、最終利益は2倍までア
ップさせることができました。
このように自費診療においても何を軸に置くかによって、医業収入全体が変化
し、収益性も変化してきます。
但し、院長先生の目指す医療方針と合致していなくては意味がありません。本
当に先生の考える医療なのか、この点が合致していかなくては最終的にうまく
いきません。
院長の考える診療方針に関しては、お時間のある時にじっくり検討していただ
ければと思います。例えば、目指す方向が痛くない治療を行う医院という方針
でも構いませんし、長期的に歯の健康を維持する医院、高度な医療を提供し続
ける医院でも構いません。要は診療に当たり、院長先生が疑問を感じないよう
な診療スタイルを見つけていただきたいのです。
提供する治療内容は時代と共に変化していくと思います。医療技術の変化や、
院長先生自身の考え方の変化などにより、大きく変わる場合もあります。
しかし、これは院長先生自身が常に情報収集しているということがポイントと
なります。最新の臨床例を知る機会、新しい治療技術を知る機会、治療に際し
ての新しい工夫など、様々な機会を通じて情報を集めていただきたいと思いま
す。自分の医院ではできないような症例をやっている他の医院のやり方、考え
方を一回受け止める器の広さが必要であると思います。
その上で自費診療を再考していただきたいと思います。
それでは、今回のメルマガの内容です。
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【看板の力の再確認】
ある歯科医院様で自医院の前に看板をつけました。医院の前の道路は生活道
路であり、通行量が多いのです。車での移動が当たり前のエリアですので、
看板をつけるということは効果を発揮しやすいと判断し、看板を新設しまし
た。
結果として、新患数が前年の3倍以上まで伸びたという事例です。
当たり前の事例ではあります。では、何がキーポイントなのでしょうか?
ポイントは夜間照明です。
医院の前の生活道路は夜少し暗かったのです。その暗い道路に夜中も明るい
照明に照らされた看板ができたのですから、夜間通行する人にとっては目を
引かれます。
また、車以外の人にとっても効果があります。道路が暗いと不安感を感じま
す。外套が煌々と照らしているような場所は問題ありませんが、少し奥に入
れば一気に暗く感じます。
少し住宅地に入り、あまり車が通らないような道路に面している医院で、照
明付きの看板を付け、夜間つけていると周辺の住民の方から、
「お宅の照明のおかげで夜も安心して通れるよ。今まで薄暗かったからね」
「照明が道を照らしてくれるから、防犯上のいいんだよ」
と言ったお褒めの言葉をいただいた医院もあります。
夜間照明が当たり前になっている昨今ですが、やはり効果のある方法です。
周辺住民の方が安心して通行していただけるということは、一種の社会貢献
ですので、その点からも評価されるのだと思います。
たかが、看板、されど、看板です。
もう一度自医院の看板を見直していただければと思います。
遠方から見直すと、新しい発見や、工夫できることが見つかるかもしれませ
ん。
看板を見直す場合に考えなくてはならないのが、
1.場所の問題
2.照明の問題
3.コストの問題
です。
野立て看板のように広告料を払いながら設置する看板もありますが、まずは
医院の前の看板を見直してください。
この看板はどのくらいの位置から見えるのかということがポイントです。
車で通行する方が多いエリアであれば、40~60m手前から見えなくては
いけません。もし見えないような場合は、夜間照明などの工夫が必要です。
夜間照明があると、その光でかなり手前から看板の存在は理解できます。
どんな看板なのかまで認識できなくても、存在に気づいていただくだけも効
果は見られます。
コスト面に関しては、自医院の敷地内であれば、野立て看板よりもかなりコ
ストを抑えられます。この点を考えた場合は、まずは自医院の前の看板を工
夫するということになります。
看板の形状は様々です。中古の看板も多くあります。中古を活用するという
方法で看板費用をかなり下げている医院もあります。アイディアと工夫で、
効果のある看板を設置してみてください。
【若手スタッフの教育】
忙しい医院では人の入れ替わりがどうしても起きてしまいます。
このようなご相談は一番お受けする内容です。特に今は新しい従業員も入っ
てきてこれから若手をいかに教育しようか悩んでおられる先生も多いと思い
ます。
まずは若い人の考え方を少し時代を追ってご説明していきたいと思います。
現在の20歳が生まれたのは、1990年です。
1990年代はバブル崩壊後、一流企業さえも倒産し、リストラ、就職難などの
大きな時代の変化がありました。
その後ITバブルと呼ばれた時代があり、またもや不景気に移っています。
時代の寵児と呼ばれた人が即没落し、真面目に働く、真面目に学ぶというこ
とが崩れ出した時代です。その中で育った若者達は楽しく過ごすということ
が人生の中心となり、何か無気力で働かない年代という考え方が浸透してい
ると思います。
ゆとり教育世代と呼ばれる世代は、現在の25歳以降の年代ですが、どうも良
く分からない世代であるといえます。
実際に20代前半の従業員をお持ち先生とお話していると、きつく注意すると
辞めてしまう、仕事を仕事だと思っていないなどの声をお聞きします。
これらの年代の特徴は、
1.無常識
2.間違えたくない
3.言われたことはやる
という3つの特徴を持っています。今の若い方は核家族が進んでしまった
影響か自分と年齢の大きく違う人との交流頻度が極端に少なくなっています。
そのため一般常識を知りません。しかし、全く常識がない世代ではありませ
ん。以前、言われていた非常識ではないのです。常識を知らないのです。常
識を伝えることさえできれば、その常識に対応できるのです。医院としての
常識を伝える必要があります。ルールとして守らなくてはならないことは言
わなくではならないのです。
今まで言わなくてもわかるだろうという自分の常識もあえて伝えていく必要
があります。
例えば、髪の色を華美にしないようにすると伝えても各人の華美レベルは違
うわけです。ある医院では、髪の明度まで指定しています。5以下にしなく
てはならないと最初に伝えてもらえれば、その通りにするのです。常識は年
代によって大きく変わりますから、ここまで詳細に伝えなくてはなりません。
次に間違えたくないと強く思っています。何かやって間違うことをとても不
安視しています。これは間違えることで目立ってしまうことへの抵抗感を感
じているのです。目立ってしまうことは、いじめに繋がるという意識を持っ
ているのです。
こちらの医院の10代のスタッフにヒアリングをすると、
「頑張る意味が分かりません。そんなに頑張らなくてもいいじゃないんです
かねえ。あんまり頑張ると目立つし、目立つことは嫌ですね」
このスタッフは就職して一年未満です。まだまだ仕事を覚えたとは言えない
段階ですので、所謂、頑張る期間ではあります。
しかし、頑張りたくはないといいます。
がむしゃらに仕事することは嫌であり、いい意味でも悪い意味でも目立ちた
くないという気持ちをもっています。
上の世代には理解できないことです。お金を貰っているのだから、頑張って
働くことは当たり前だ考えている世代にとっては宇宙人に見えるかもしれま
せん。
実際、院長先生もこのような発言を聞くたびに悩みを深めます。
このようなスタッフには、
「頑張らなくてもいいけど、今仕事覚えないと他のメンバーに迷惑をかけな
いかな」
というような問いかけが有効です。
自分だけではなく、人に迷惑をかけないようにしたいという気持ちは強いよ
うです。ただ、今の自分が他の人々をいかに繋がっているかを理解できない
年代が若い世代なのだと思います。自分と他人との関係性、今の自分のスキ
ルが仲の良い周りのスタッフに影響を与えていることを自覚した瞬間から働
き方が変わります。
更に今の20代はある意味で素直です。言われたことはやります。これは逆に
考えれば言われたことしかしないということにもなるのですが、しっかりと
ルールを伝え、理解してもらえば、その点に関しては守るのです。伝える、
理解させるということがハードルが高いのですが、これは大きな長所である
と言えます。躾・マナーレベルはルールだから守りなさいということを最初
に話をすることが重要です。
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船井総合研究所 歯科コンサルタントチーム主催
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発行責任者 高野聖義(昌則)
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