【歯科診療報酬改定速報vol.6_メンテナンス】主戦場が変わる「SPTから口管強へ」新メンテナンス

2025年10月10日 (金)

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皆様
いつもお世話になっております。
株式会社船井総合研究所 歯科支援部リーダーの山本 喜久です。
今日は少し熱量高めにお届けします。

中医協の資料が公開され、歯科の“次の一手”がクリアになりました。
鮮度の高いうちに、現場で意思決定に使える視点へ噛み砕いてお伝えします。

■2026年改定の指針となる中医協資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001560014.pdf

この資料は、来年どこに追い風が吹くのかを示す地図です。国は“伸ばしたい医療”に点数で光を当てる。中心にあるのは口腔機能管理(口管強)。
目的は明快で、訪問診療が必要になる前に、地域全体の口腔機能を底上げすること。この潮流を正しく掴めるかどうかが、来期の成果を分けます。

2026年改定を読み解く3つの焦点

① 糖尿病×歯周病(医科歯科連携の加速)
紹介待ちではなく、歯科から能動的にリスクを拾いにいく流れへ。血糖値・HbA1cの把握、評価、医科への情報提供までを“線”で結べる医院が、地域連携のハブになります。

② オーラルフレイル対策(口腔機能管理の本格運用)
装置を入れて終わりではなく、「食べられる/話せる」がどう変わったかを結果で示す時代。管理栄養士(RD)の活躍領域が広がり、機能改善の実感を患者に届けやすくなります。

③ 地域偏在の是正(地域別点数の議論)
都市とへき地の供給格差を前提に、点数の地域差が検討対象に。広域展開法人の出店・採用・教育設計をアップデートする好機です。

「新しいメンテナンス」の正体

これからの主戦場は、SPT中心の歯周管理 → 口腔機能管理(口管強)中心へ。
ゴールは炎症コントロールの先にある、健康寿命を延ばす機能改善。
患者様を「訪問診療が要らない状態」で守り続けること、歯科が社会課題に正面から応える姿です。

1.【戦略】目的を「口腔機能の改善」に置き直す

ディフェンス(予防)だけでは足りません。オフェンス(機能回復)に踏み出す。
舌圧・咀嚼・嚥下など6項目を定期評価→介入→再評価を同一フォーマットで回し、数値で改善を追う。これが口管強の安定算定とチーム連携を同時に前進させます。

2.【実践】全身リスクを“歯科から”見つけに行く

歯科が全身の入口になるというメッセージは揺るぎません。
血糖値/HbA1cの運用設計、問診の具体化、情報提供書の標準化。仕組みが整うほど、メンテナンス単価の底上げとリコール継続率の安定が実現します。
以下は、医院に落とし込むための3要素です。
・血糖値/HbA1c 計測の導入検討(運用ルールと説明書式までセット)
・問診票の刷新(高血圧・糖尿病・心疾患の具体質問と数値)
・情報提供書の標準化(トリガー条件→発行→返信管理のSOP)
この3点を仕組みにするだけで、メンテナンス単価の底上げ+リコール継続率の改善が実現します。

3.【深化】RD(管理栄養士)で「行動変容」まで届け切る

“治療した”で止めず、日常の食行動を変えるところまで伴走する。
DHの機能訓練とRDの栄養コーチングがかみ合うと、実感できる改善 → 満足度向上 → 自費メニューの前進が一直線に繋がります。
医院に落とし込むために必要なことは以下です。
・栄養指導:機能状態に合わせた“食べてほしい具体メニュー”
・行動支援:DHの機能訓練とRDの食習慣コーチングを連動
これで実感できる改善→満足度向上→自費メニューへの前進まで一直線です。

4.【成果】医院成長の新しい柱に

提供価値は「クリーニング」から「健康寿命の管理サービス」へ。
国が点数で後押しする領域に資源を集中させれば、単価・継続率・自費比率の三つ巴を同時に押し上げられます。2026年を“攻めの改定”に変える軸は、ここにあります。

改定は点数の入れ替えではありません。
「社会課題に歯科がどう応えるか」を問う挑戦です。
“新しいメンテナンス”への転換は、患者の人生に寄与し、医院の収益基盤を強くする投資。動き出した医院から、来年の景色が変わります。

このコラムが、あなたの現場での一歩を後押しできれば嬉しいです。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コラムを最後までお読みいただきありがとうございました。
来たる令和8年度の診療報酬改定の情報公開に備え、今後は診療報酬改定に関する情報 や、現場で役立つコラムを船井総研公式LINEアカウントにて【先行配信】いたします。
令和8年の診療報酬改定に向けた情報を今後もできるだけ早くお伝えをさせていただきますので、是非この機会にご登録ください。

◾️この記事を書いたコンサルタント

山本 喜久

プロフィール詳細

関西学院大学法学部出身。新卒で船井総合研究所に入社。
大学時代から、難関校専門の塾講師として活躍。その時の経験から「人に教える」ことを最も得意とし、それを応用したカウンセリング体制の構築には定評がある。経営者に寄り添いながら、粘り強く「歯科医院経営者の夢を叶える」ことをコンサルタントとしての信条としている。

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