歯科経営における「合理的」な成長戦略【M&A】 話題の中心はM&A・第3者承継
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株式会社船井総合研究所の長谷川光太郎です。
昨年は企業のM&A・第3者承継の話題(大企業のMOBや、ベネフィット・ワンのM&A等)がよくニュースを賑わせておりましたが、中小企業、歯科業界にも急増するM&Aの、その背景についてみていきたいと思います。
増えるM&A。その3つの要因
レコフデータによると、日本国内の2022年度のM&Aの実施件数は4300件を超えており、この10年でM&Aは2.5倍以上の規模となっています。
急激な伸びの背景には
①経営者の高齢化
➡皆様も実感あると思います。中小企業庁によると、中小企業の経営者年齢のボリュームゾーンは1995年に47歳から2015年時点で66歳にまで引きあがっていると報告されています。
②事業承継センターや、M&Aプラットフォーマーの登場による、相談窓口の多様化
➡2011年の事業承継センター、2016年のトランビ、2018年のバトンズといった、事業承継・M&Aに関しての相談窓口が身近になったことで、事業承継に悩む潜在層の表面化が一気に進みました。
③M&Aの「負のイメージ」の払しょく(国による補助金や税制優遇の後押し)
➡優良中小企業の黒字廃業という、国の生産性、国力を大きく引き下げる現状を最大限回避するため、国は事業承継・引継ぎ補助金や中小企業の経営資源の集約化に資する税制により、中小企業の事業承継・M&Aを後押ししています。また、M&Aを通してのサクセスストーリーが実名で公表されてきていることで、M&Aに対する漠然とした負のイメージが払しょくされてきています。
上記3点が主な要因として挙げられます。
最もつらいのは、優良企業(医院)の後継者難による廃業
上述のM&Aの件数が急増している要因の中でも記載しましたが、国としても最も避けたいのは、「優良企業(医院)で黒字なのに後継者がおらずに廃業せざるを得ないケース」です。
東京商工リサーチの調べによると、2023年度、休廃業する企業のうち直前の決算期で黒字だった企業は52.4%と報告されています。つまり半分もの企業が存続、成長可能性を大きく秘めていたにもかかわらず、後継者がいないことを主要因に休廃業を余儀なくされているわけです。
せっかく積み上げてこられたノウハウ、企業価値、歴史が水泡に帰す。そんなにもったいないことはありません。
国も同様の見解で、中小企業の優れたノウハウや企業価値、歴史を承継するM&Aをここ数年強力に推進してきているというわけです。
そして大局観のある企業・医院経営者は、そういった時流を確かにくみ取っており、近年の優良企業(医院)のM&Aを成長戦略の中心に据えてきています。
では、歯科経営における成長戦略としてのM&Aは、新規分院開業と比べて具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
歯科経営における成長戦略としてのM&Aのメリット 「優秀な人材・物件との出会い」「経営者としての壁突破」「地域医療への貢献」
歯科経営における成長戦略としてのM&Aには、主に3つのメリットが挙げられます。
①「優秀な人材・物件との出会い」
➡分院新規開業では決して出会えない人材や物件と出会える可能性が格段に高まります。歯科医院はコンビニ以上の件数が国内に存在しますが、当然過剰供給状態で、すでに魅力的な人材や物件は既存医院が抑えています。M&Aはそういった魅力的な人材や物件ごと承継する(スキームなどでその限りではない)ことができ、またその医院に通院される患者さんも承継する為、法人としての成長速度が全く異なります。
②「経営者としての壁突破」
➡分院の新規開業はイメージできるかと思います。ではM&Aと聞くとどうでしょうか。「難しそうだし、マネジメント面でも不安がある」といった意見が多いかと思います。そのマインドブロックを超える経営者が歯科でも数名ながら出てきています。合理的に考えればM&Aという成長戦略は、成熟産業である歯科との相性は最高です。その経営判断ができるかどうか、今後問われます。
③「地域医療への貢献」
➡このまま傍観していても、まず間違いなく優良歯科医院は次々廃業するでしょう。そして良い治療、診療を受けていた患者さんは不利益を被るかもしれません。親族が独立開業するケースも増える中、優良歯科医院の本当の価値を理解するスタープレイヤーが地域医療を支える基盤となる未来は近いです(成熟している食品業界などは救済的M&Aが活発になりはじめています)。ESG投資、SDGsといわれて久しいですが、社会性の高い企業が評価される世の中です。人もそういった企業に集まります。公益性の高い医療法人ならなおさらです。
今まで、M&Aがここまで求められる理由と、歯科経営における成長戦略として重要となる理由について記載してまいりました。
M&Aが歯科業界で語られる機会は多くなかったですが、業界としても後継者問題、高齢化問題が差し迫ってきています。
是非、合理的な経営、そして社会性の観点からも、成長戦略としてのM&Aを学び始めていただきたく思います。
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◾️この記事を書いたコンサルタント
長谷川 光太郎
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