軽視される出口戦略。必ず訪れる出口に向け、今何が出来るか

皆様、いつも当メールマガジンをご覧いただき有難うございます。
株式会社船井総合研究所の長谷川光太郎です。

いきなりの質問となりますが、
先生は、出口戦略と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

後ろ向きな感じがするし、先のことなんてわからないから考えても無駄じゃない・・？

先日弊社主催の歯科経営研究会（FDI）にて、成長戦略/出口戦略としてのM＆Aをテーマにしたのですが、会が始まる前にある会員様と話をした際にポロっとその方がこのように仰りました。

「長谷川さん、出口戦略ってなんだか後ろ向きな感じがするし、先のことなんてわからないからM＆Aとかも含めて戦略の立てようもないと思うんです。。。今日の話を聞いてもうちに意味ありますかね。。？」

先生は、この方のご意見についてどう思われますか。

私は「なるほど」と思いました。また、「ちょっと怖いな」とも思いました。
そして「そんな先生だからこそ一度聞いてほしいんです」とお話ししました。

成長戦略の片側で、軽視される出口戦略

先述の会員様の言葉を自分なりに振り返って考えてみましたが、
成長戦略＞出口戦略
の構図が無意識に経営者にはあるのかもと思いました。
私も、クライアント様に対して成長戦略の話が95％を占めています。
おそらく業界全体としても、届くダイレクトメールの99％は成長戦略の内容なのではないでしょうか。

その結果として、出口戦略は成長戦略に劣後するものとなった、つまり軽視されているということです。

ただ、本当に出口戦略は軽視されたままで良いのでしょうか。
ご子息の独立開業、年々厳しさを増す歯科医師採用、それに伴う後継者不足とご自身の高齢化。
王道だった親族内承継がおぼつかなくなるこれからに、改めて出口戦略の選択肢を見直す時期が来ています。

先述の会員様のお話に戻りますが、
当日の講演がすべて終わった後、ご感想を聞きに行きました。

「まぁ、考えるきっかけにはなりましたね。今の成長戦略も、出口戦略を考えた上で設計しなおそうかと思います。うちは私が一代目で一応息子も歯学部に入っているので親族承継でいけると思っていますが、息子も独立して開業したいと言うかもしれませんし。あと、40代で出口戦略考える先生もいることに驚きました。親族間で一度話題に出してみようと思います。」
と、一言一言選び取るようにお話しされていました。

私はその時「今日の一日を準備してきて良かった」と心から思いました。

【解像度】が高まることで、出口戦略と向き合いやすくなる

この一連の経験を通して、【出口戦略の解像度を高めること】こそ、成長戦略と同じく重要な出口戦略について向き合うことにつながると思いました。

出口戦略の解像度を高めるには、
①親族承継、勤務医承継、第3者承継（M＆A）、廃院という出口戦略のメリットとデメリットを知る
②現在のご自身が置かれている状況と立ち位置をチャートを用いて客観的に把握する
③状況と立ち位置を把握することによって、各出口戦略の現段階での優先順位付けを行う
④優先順位が一番高い出口戦略に向けて今できることの棚卸しをする
の順で頭を整理されるのをお勧めします。
実際、当日の講演も上述の流れでお伝えをしております。

また、出口戦略の解像度を高めることで、今後の成長戦略にも深みが生まれます。
例えば、ご子息の確認も取れた上で親族承継が濃厚な場合は、2代目が安心して承継できるように頼りになる幹部を育てておいたり、拡張を予定している場合は拡張図面やオペレーション面を後継者と一緒に考えるといったアプローチが良いでしょう。
例えば、第3者承継（M＆A）を希望される場合は、設備投資を抑えつつメンテナンスや保険診療の割合を高める方向に寄せたり、決算書を確認しながら個人と医院の支出を切り離すなど透明性を高める部分に院長の時間を割くといったアプローチも良いでしょう。

出口戦略の解像度を高めることは、これからの方向性を定めることにもなり、漠然とした不安から先生を解放してくれる有意義な取り組みだと確信しています。

出口戦略を「把握する時間」「考える時間」「相談する時間」

いままで出口戦略の必要性と、解像度を高めることの意義について語ってまいりましたが、
出口戦略と向き合おうという先生に端的に伝えたいこととしては
「出口戦略について把握する時間」
「出口戦略について考える時間」
「出口戦略について相談する時間」
の3つの時間を大事にしていただきたいと思います。

どこまでいっても最後は先生ご自身の決断でしか物事は動いていきません。特に出口戦略となるとなおさらです。
歯科以外の業界も含めた個人事業者の事業譲渡のタイミングとして、49.3％が経営者の体調悪化を理由に事業譲渡を行っているというデータがあります。
時間は有限です。だからこそ先生とクリニックにおいて非常に重要な出口戦略に時間をかけていただきたいと思います。

最後までお読みいただき、有難うございます。

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出口戦略においてＭ＆Ａによる事業譲渡を選択されたゲスト
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オンライン開催で且つ無料なので、ご視聴のハードルが低くご参加されやすいと思います。
先生とクリニックのより良いこれからにつながる時間になれば幸いです。

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