歯科医院経営者必見!2025年、生き残るための戦略とは?
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目次
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所のコンサルタント、田坂敬です。
はじめに
2025年、歯科業界は大きな転換期を迎えます。人口減少、競争激化、コスト増加という三重苦の中、生き残りをかけた戦略が必須となります。
本コラムでは、船井総合研究所が独自に調査したデータや、厚生労働省のデータをもとに、2025年の歯科業界予測と、勝ち残るための具体的な取り組みについて解説いたします。
歯科業界の時流 – 厳しい現実と変化の兆し
現在の歯科業界は、以下の状況に直面しています。
- 歯科診療所数の減少: 歯科診療所の開設数は減少を続け、2017年には廃止数を下回り、歯科診療所数は減少傾向にあります。 これは、後進の歯科医師の減少や、経営の難しさなどを背景に、新規開業が減っていることが要因と考えられます。
- 競争の激化: 歯科診療所数自体は減少傾向にありますが、日本の人口減少が加速しているため、地域によっては人口10万人あたりの歯科診療所数は増加しており、競争が激化しています。特に、北海道・東北地方の減少率が大きく、地方都市において競争が激化している現状が見て取れます。
- 二極化の進行: 年商約1億円を超えると医療法人化するケースが多いため、「医療法人≒中小・中堅・大手」、「個人事業主≒零細・小規模」と考えると、中小・中堅・大手が増加し、零細・小規模が減少する二極化が進んでいます。これは、経営規模の拡大によって経営基盤を安定化させ、競争に勝ち抜こうとする歯科医院が増えていることを示唆しています。
- 歯科医師の高齢化: 歯科医師数は2022年から減少に転じていますが、60歳~69歳、70歳以上の割合が高まっており、歯科医師の高齢化が進んでいます。 高齢化に伴い、今後、廃業する歯科医師も増加すると予想され、歯科医師不足がさらに深刻化する可能性も孕んでいます。
- 歯科衛生士不足: 就業歯科衛生士数は増加傾向にありますが、新卒歯科衛生士の求人倍率は上昇を続けており、2022年には23.3倍と、深刻な人材不足に陥っています。これは、歯科医院における歯科衛生士の役割の重要性が高まっていること、待遇改善が進んでいることなどが要因と考えられます。
- コスト増加: 水道光熱費、材料費、技工費、地代家賃など、様々なコストが増加しています。世界的なインフレーションの影響もあり、歯科医院経営を圧迫する大きな要因となっています。
これらの状況は、歯科医院経営をかつてないほど厳しい状況に追い込んでいます。
2025年の歯科業界予測 – さらなる競争激化と勝ち残りの鍵
上記の現状を踏まえると、2025年の歯科業界は「集患難」「採用難」「コストアップ」がさらに深刻化し、「売上」「利益」ともに厳しい状況になると予測されます。
現状維持は衰退を意味し、拡大していかなければ生き残れない時代が到来するのです。
しかし、闇雲な拡大では成功は望めません。「独自固有の強み」を持った差別化が必須となります。
船井総合研究所では、「船井流差別化の8要素」に基づき、歯科医院の独自性の確立を支援しています。
差別化の8要素
差別化の8要素は、重要度の高い順番に以下のようになっています。
- 戦略的差別化要素: すぐに変えられない要素
- 立地
- 規模
- ブランド
- 戦術的差別化要素: 変えやすい要素
- 商品力 → 診療科目
- 価格力 → 診療設計
- 販促力 → マーケティング
- 接客力
- 固定客化力
一般的に、大手歯科医院は戦略的差別化要素である「立地」「規模」「ブランド」に投資を行い、零細・中小・中堅歯科医院は戦術的差別化要素である「商品力」「価格力」「販促力」「接客力」「固定客化力」に投資を行うことが、求められる戦略になります。
具体的な6つの取り組み – 明日から実行できる、成功への羅針盤
2025年に向けて、歯科医院経営者は以下の6つの取り組みに注力すべきです。
- 「自費科目を付加」し、高生産性×高収益化: 人口減少、競争激化の中、患者様の多様なニーズに対応できるよう「専門の総合化」を目指し、自費診療科目を戦略的に付加していく必要があります。従来の保険治療中心の診療メニューに加え、自費診療科目を充実させることで、収益構造を改善し、経営の安定化を図ることができます。
- 「よろずや」のように、多くの診療科目を提供するのではなく、自院の強みとなる専門分野を深掘りし、複数の専門分野を組み合わせる「専門の総合化」を目指しましょう。
- 例として、一般歯科をベースに、インプラント、矯正歯科、審美歯科などを専門分野として確立し、患者様に幅広い選択肢を提供することで、選ばれる歯科医院へと成長できます。
- 価値/価格を見直し、「正しい価格」へ: コスト増加に対応するため、適切な値上げは避けられません。しかし、安易な値上げは患者様の離反を招きかねません。船井流価格戦略に基づき、「正しい価格」を設定し、患者様に納得いただける説明を行うことが重要です。
- 船井流価格の根源的分岐点: 価格変更を行う際、人は以前の価格や相場価格と比較して判断するため、価格の参照点を意識する必要があります。また、「1,2,3,5」の数字がつく予算帯と「4,8,18」の数字がつく予算帯では、価格帯が変わったと判断される傾向があります。これらを踏まえ、値上げ幅や価格設定を行うことが重要です。
- 損失回避理論: 人間は、得することよりも損することを強く意識する傾向があります。値上げによって患者様に「損した」と感じさせないよう、値上げの理由やメリットを丁寧に説明する必要があります。
- 極端回避の法則: 人間は、複数の選択肢があると、極端な選択肢を避け、中間の選択肢を選ぶ傾向があります。値上げを行う際には、高価格帯の選択肢も用意することで、患者様に選択肢の幅を感じさせ、値上げに対する抵抗感を軽減することができます。
- 「デジタルマーケティング」投資で「集患」: デジタルマーケティングは、もはや避けて通れない時代です。従来の広告手法に加え、ホームページやSNS、Web広告などを活用することで、より多くの患者様にアプローチできます。
- 広告宣伝費率の適切な設定
- 広告宣伝率は、一律に決めるのではなく、医院の状況に合わせて柔軟に設定する必要があります。 船井総研のクライアントでは、売上規模が大きいほど広告宣伝費率が高い傾向が見られます。これは、積極的に広告投資を行うことで、さらなる売上拡大を目指していると考えられます。
- 「人的資本経営」へシフト: 人材を「コスト」ではなく「投資」と捉え、「採用×育成×定着」に積極的に取り組み、従業員の成長と医院の成長を両立させる経営を目指しましょう。歯科衛生士不足が深刻化する中、優秀な人材の確保と育成は、医院の成長に不可欠です。
- 魅力的な職場環境: 働きがいのある職場環境を整備することで、従業員の定着率向上を目指しましょう。
- 教育制度: 充実した教育制度を導入し、従業員のスキルアップを支援することで、従業員のモチベーション向上と、医院全体のサービスレベル向上を図りましょう。
- 評価制度: 公平で透明性の高い評価制度を導入することで、従業員のモチベーション向上と、人材の適材適所を促進しましょう。
- 患者個別最適化し「治療終了率」「予防移行率」向上: 新規患者獲得だけでなく、既存患者の定着化がますます重要になります。[19] 患者一人ひとりに最適な治療と予防を提供することで、「治療終了率」と「予防移行率」を向上させ、安定的な経営基盤を築きましょう。
- 患者満足度向上: 丁寧な説明、親身な対応を心がけ、患者満足度を高めることで、治療終了率向上を目指しましょう。
- 予防歯科: 定期的なメンテナンスの重要性を患者様に伝え、予防歯科への意識を高めることで、予防移行率向上を目指しましょう。
レポートダウンロードのお勧め – 成功事例から学ぶ、未来への道筋
本コラムで紹介した内容は、船井総合研究所が発行する「【歯科医院業界(経営)】時流予測レポート2025」でより詳しく解説しています。
レポートには、以下の内容が収録されています。
- 2025年の歯科業界予測の詳細
- 差別化戦略の具体例
- 成功事例紹介
- 船井総合研究所のサポート内容]
ぜひダウンロードして、貴院の経営戦略にお役立てください。
まとめ – 変化を恐れず、未来を切り拓く
2025年に向けて、歯科業界は大きな変化に直面しています。しかし、変化をチャンスと捉え、適切な戦略を実行することで、貴院はさらなる成長を遂げることが可能となります。
船井総合研究所は、豊富な実績とノウハウで、貴院の成長をサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
◾️この記事を書いたコンサルタント
田坂 敬
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