止まらない物価高、診療報酬改定は救いの手になるか?2026年改定の核心「歯科外来物価対応料」を徹底解剖
- コラムテーマ:
- 診療報酬改定・保険改正
皆様
いつも大変お世話になっております。
株式会社船井総合研究所、歯科支援部マネージャーの山本 喜久でございます。
お忙しい診療の合間を縫って、
本コラムをご開封いただき、誠にありがとうございます。
2025年12月の政府発表から、
診療報酬改定の中にも本格的に
「物価高に対する対応」
が組み込まれる流れが決定的となりました。
そして今回、中医協から発表された資料には、
その政府の「狙い」が明確に形となって表れています。
これは、単なる点数の増減ではありません。
インフレ経済下においても、歯科医院が持続的に経営を行い、
良質な医療を提供し続けるための「構造改革」を国が求めているというシグナルです。
本コラムでは、今回発表された資料に基づき、その「物価高対応」の全貌について解説いたします。
■中央社会保険医療協議会(中医協)令和8年1月23日
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf
まず、今回の改定の規模感を数字で振り返ってみましょう。
政府が下した決断は、30年ぶりの高水準となる「本体プラス3.09%」という数字でした。 これは、インフレ脱却と賃上げ、そして医療崩壊を防ぐための、
まさに国を挙げた「異例の投資」です。
しかし、ここで「点数が上がって良かった」と思考停止してはいけません。
その中身を読み解く必要があります。この+3.09%の内訳を見ると、
国が歯科医院に求めている「must(やらなければならないこと)」が浮き彫りになります。
【改定率の内訳(推計含む)】
- 賃上げ対応分:+1.70%(全体の過半数!)
- 物価高騰・重点施策分:+1.39%(物価高騰対応、食支援、DX推進など)
今回は、この「物価高騰対応」の象徴とも言える新設項目、「歯科外来物価対応料」について解説いたします。
【新設】歯科外来物価対応料とは何か?
これまで、材料費や光熱費の高騰は、医院経営を圧迫する大きな要因でした。
今回の改定では、これに対応するための「歯科外来物価対応料」が新設されます。
これは、従来の基本診療料の引き上げとは異なり、
「物価上昇コストを補填するための専用の点数」が設けられたことを意味します。
【歯科外来物価対応料の概要】
- 対象:入院中の患者以外の患者(外来患者)
- 算定タイミング
- 初診時
- 再診時
- 特徴:基本診療料(初・再診料)に上乗せして算定する形式となります。
これは、国が「歯科医院の経営コストが上がっていることを認め、その分を補填する」という明確な意思表示です。
【重要】「段階的引き上げ」の仕組みを理解する
この「歯科外来物価対応料」には、非常に重要な特徴があります。
それは、「令和9年6月以降、点数が倍増する」という仕組みです。
資料によると、
「令和9年6月以降は、所定点数の100分の200に相当する点数を算定する」
と明記されています。
つまり、令和8年度(2026年度)の改定当初の点数設定から、1年後の令和9年度中盤には、さらに評価が手厚くなるということです。
これは、継続的な物価上昇を見越した「段階的な支援」であり、経営者としては、来年だけでなく再来年の収支計画にもこの増点分を組み込んでおく必要があります。
物価対応料を活かすための院内体制整備
この点数は、「算定して当たり前」の点数になりますが、だからこそ、患者様への説明と院内でのコスト意識の変革が求められます。
【医院で取り組むべき具体策】
- 患者様への説明準備: 窓口負担が増えることになります。単なる値上げではなく、「安全で質の高い医療を提供し続けるための、昨今の物価高騰に対応した国の制度である」ことを、受付スタッフさまが自信を持って説明できるトークスクリプトや掲示物を用意してください。
- コスト構造の見直し: この点数は「利益」ではなく「コスト補填」です。得られた原資を、高騰する材料費や技工費、光熱費の支払いに充てつつ、無駄なコストがないか改めて見直す契機としてください。
- レセコン・運用確認: 初診・再診すべてに関わるため、算定漏れは大きな損失になります。改定時期に合わせてレセコンのマスタ更新や算定ルールの確認を徹底し、初日から確実に算定できる体制を整えてください。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
今回の「歯科外来物価対応料」は、
政府が医療機関の「経営の持続可能性」を守るために用意したセーフティーネットです。
しかし、これに甘んじることなく、
同時に求められている「賃上げ」や「DX」への投資を加速させることが、
強い医院をつくる条件です。
まずは取り急ぎ、決定事項の速報と、経営者がやるべき「初動」についてご案内させていただきました。
今後、より具体的な点数配分や施設基準の詳細は、判明次第すぐに皆様へお届けします。
今回の歴史的な診療報酬改定をチャンスに変え、「賃上げ」と「質の向上」を両立する、より強い歯科医院経営を共に創っていければと存じます。
私ども船井総合研究所では、
今後も中医協からの最新情報を最速で分析し、
皆様の経営に直結する「生きた情報」として、
分かりやすくお届けしてまいります。
次回のコラムでも、改定の深層に迫る重要なテーマを取り上げる予定です。
ぜひ、引き続きご注目ください。
ここまで、改定の「方向性」をお伝えしてまいりました。
しかし、先生方が今、真に知りたいのは、
「では、明日から具体的にどう動けばいいのか?」
「どうすれば、この変化を患者様の喜びに変えられるのか?」
という、現場での実践論ではないでしょうか。
そこで、この度、2026年診療報酬改定の全貌を紐解き、
貴院がとるべき具体的なアクションプランを提示する緊急セミナーを開催いたします。
【2026年診療報酬改定 対策セミナー】
~患者様に選ばれ、地域に愛される持続可能な医院経営モデルの構築~
本セミナーでは、単なる情報の羅列ではなく、以下の「実践の武器」をお渡しします。
① 患者様のメリットに直結する、新制度の具体的活用法
② 変更点を正しく、心に響く言葉で伝えるための説明ツール・トークスクリプト
③ スタッフも患者様も幸せになる、改定対応を組み込んだ医院運営計画
今回の改定について、
「ただの事務的な変更で終わらせるか。
それとも、当院が地域になくてはならない存在へと進化する好機とするか。
その分かれ道となる1日だ!」
とまで、クライアント様からご評価いただいております。
お席に限りがございます。 より良い医療提供体制の構築に向けて、共に準備を始めましょう。
▼セミナーの詳細・お申し込みはこちら
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/138229
今回の改定は、医院経営の転換点となる大きな波です。
この波を乗りこなし、先生方の医院がさらなる飛躍を遂げられるよう、
私共も全力でサポートさせていただきます。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
◾️この記事を書いたコンサルタント

山本 喜久
関西学院大学法学部出身。新卒で船井総合研究所に入社。
大学時代から、難関校専門の塾講師として活躍。その時の経験から「人に教える」ことを最も得意とし、それを応用したカウンセリング体制の構築には定評がある。経営者に寄り添いながら、粘り強く「歯科医院経営者の夢を叶える」ことをコンサルタントとしての信条としている。
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