【研究会レポート】これからの歯科業界に求められるものとは
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いつもお世話になっております。
株式会社船井総合研究所の須藤でございます。
8月18日に「持続的成長へのロードマップ」をテーマに弊社歯科経営研究会~Funai Dental Innovation~分科会が開催されました。
今年度の分科会は医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長をお招きし、法人の行うDX経営と人的資本経営についてご講演いただきました。また、グレートカンパニー対談と題しまして、かすもり・おしむら歯科矯正歯科 口腔機能クリニック 押村憲昭院長とのご対談も実現するイベントとなりました。本レポートでは、今年度の分科会の様子をお伝えさせていただきます。
■歯科業界動向
歯科診療所の数は2016年をピークに減少傾向にあることをご存知でしょうか。しかし歯科診療所数と同様に小規模の歯科医院数が減少しているのに対し、歯科医療法人数は増加傾向にあります。歯科業界でも大規模二極化が進んでいるのです。
さらには、新卒歯科衛生士の有効求人倍率は22.6倍にも上るなど採用競争にも拍車がかかっています。人件費や採用コストだけではなく、技工料や外注費なども年々目に見えて高騰しているのも痛感されているのではないでしょうか。
今までと同じような診療スタイル、売上の上げ方では利益構造が破綻していきます。そこで成長する体力のある強い歯科医院(企業)のみが生き残り、弱い歯科医院(企業)は衰退してしまったのです。
そこで、8月の分科会では強い歯科医院に必要なものを ①DX経営 ②人的資本経営 と定義した上で、この2つのテーマに対して取り組まれている医科医療法人様、歯科医院様をお招きいたしました。
■医療法人社団悠翔会の概要
医療法人社団 悠翔会は首都圏を中心に24拠点を構え、在宅医療から患者様の生活を24時間体制でサポートされています。
医療法人社団悠翔会の特筆すべき点の一つとして、年次報告レポートの作成とレポートを読み込むことで、経営の内向きKPI(新患数、レセプト枚数、業績)だけでなく、外向きKPIの設定およびその概念から成る高い社会性を実現されていることが挙げられます。
これらの実施は、医科だから、大手法人だからできる、というものではなく、佐々木理事長の想いと取り組みによって実現された、紛れもない”施策”です。 上記を実施することで、 ①在宅医療により高社会性・高収益性 ②対外広報によるスタッフのエンゲージメント向上 をし、医療法人社団 悠翔会は「人的資本経営」を実現されています。
■佐々木理事長のご講演サマリー
ご講演では医療法人社団悠翔会のご紹介の他、在宅医療の現状や重要性、地方過疎地域や離島での医療提供の課題に触れた上で法人でのお取組み内容についてご紹介いただきました。 佐々木理事長のご講演内容を抜粋させていただきます。
在宅医療を導入することで、医療保険の圧迫を緩和できるほか、高齢者やがん患者、神経難病の患者に対する在宅医療のニーズが高まっています。
また、組織運営においては「患者ニーズ」を中心にした経営理念が重要です。特に、内発的な動機づけが重要であり、仕事が楽しいと感じられることが組織のパフォーマンス向上に繋がります。また、スタッフがなぜ組織で働くのかを明確にすることが大切で、これによりスタッフのやる気や成長を促進できます。リーダーの役割も重要で、スタッフの能力ややる気を最大限に引き出すためには、適切な環境を整えることが求められます。
そして、DXを活用した数値(稼働率・顧客満足度・看取り率など)の見える化を行い ・各院の院長に自身でPDCAを回してもらう ・院長同士で意見を交換してもらう といった方法を用いています。そして、DXの活用によって減らした支出をスタッフに還元していきます。 スタッフの幸せが患者さんの幸せに繋がります。
つまり、医療法人社団悠翔会では
DX経営と人的資本経営の環境を整えることで基本理念である「人が人を幸せにする」を 達成しています。
■医科×歯科グレートカンパニー対談サマリー
対談では6つのトピックスについてお話いただきました。
その中から人的資本経営をされているお二方ならではの人財への考え方での共通項が印象的でしたのでご紹介させていただきます。 それは、 「個人が経営理念・行動規範を基に考えられる組織にするために経営者は一歩引いた状態でいる。しかし、経営理念に関しては一貫して伝え続けそれに伴った経営をする」そうです。 組織を自走化させていく難しさと確固たる経営理念の重要性を再確認させられました。
また、お二人には医科から見た歯科・歯科から見た医科の視点でのご意見をお伺いいたしました。医科と歯科という異なる視点でありながらも、医療業界の最前線を走られているお二人のお考えには通じるものが多くあったかと思います。 特に、「歯科業界に求めるもの」というトピックスに関して、お二方とも目指すものは違いますがそのプロセスとして歯科医師が患者さんに継続的に関わっていく「長期管理」を求めていらっしゃいました。では、そこに対して今歯科医院や歯科医師はなにをすればいいのでしょうか。対談では押村院長が歯科医師としてされている取り組みと佐々木理事長が医師としてして歯科医師に求めることもお話いただいております。
■まとめ
こちらをお読みの先生方、いかがでしたでしょうか? 分科会当日はグレートカンパニー対談の後に、明日からの経営でどんなことをすればいいのか、現状どんなことをされているのか、ご参加の先生方同士での情報交換会をしていただき、大変盛り上がっておられました。
・人財不足が深刻な医療業界においてDX化での生産性向上 ・人的資本経営を通しての組織力向上 この二つのポイントを抑えた歯科医院が強い企業となり成長し続けるのだと、 再確認できた分科会となったのではないでしょうか。
当日研究会にご参加できなかった会員の皆様は講座をデータベースよりログインの上、ご視聴いただけます。また、まだ研究会員でない先生方も無料でお試し参加を受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。
研究会への無料お試し参加はこちら→https://lpsec.funaisoken.co.jp/study/dental/100619/
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