2025年 矯正歯科市場予測:勝ち残るための戦略

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執筆者歯科支援部
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本コラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の歯科コンサルタント、長瀬亘亮です。

はじめに


歯科業界において、矯正歯科は近年注目を集めている分野の一つです。審美意識の高まりや、マウスピース矯正などの新しい技術の登場により、矯正治療を希望する患者様は増加傾向にあります。しかし、人口減少や競合の増加など、矯正歯科を取り巻く環境は変化しており、2025年に向けて、どのように経営の舵を切っていくべきか、多くの歯科医院経営者様が悩まれているのではないでしょうか。

本コラムでは、船井総合研究所が独自に調査したデータや、厚生労働省のデータをもとに、2025年の矯正歯科市場予測と、勝ち残るための具体的な戦略について解説いたします。

業界の時流についての解説


1. 歯科診療所の減少と矯正歯科医の増加

歯科診療所数は2016年をピークに減少傾向にあり、2024年8月末には66,390施設となっています。これは、歯科医師の高齢化による廃業や、後継者不足などが原因と考えられます。一方で、矯正歯科を専門とする歯科医師、および矯正歯科に携わる歯科医師の割合は増加傾向にあります。

2. 人口減少と矯正特需の終了

日本の人口は2004年をピークに減少しており、2060年には8,673万人まで減少すると予測されています。特に、15歳から64歳までの生産年齢人口は、2024年は約59%、2060年には約50%まで減少すると予想されています。人口減少は、歯科業界全体にとって大きな課題であり、矯正歯科市場も例外ではありません。

さらに、新型コロナウイルス禍により発生したマスク社会による矯正特需は、収束の兆しを見せており、2020年の需要の約60%程度まで減少する恐れがあります。

3. 患者ニーズの多様化

矯正治療を希望する患者様のニーズは、ますます多様化しています。従来のワイヤー矯正に加え、マウスピース矯正や、歯の裏側に装置をつける舌側矯正など、様々な治療方法が登場しており、患者様は自分に合った治療方法を選択できるようになっています。

今後の予測:矯正歯科市場における競争激化


上記の業界トレンドを踏まえ、2025年の矯正歯科市場は、矯正歯科医師の増加日本人口の減少矯正特需の終了という3つの要因により、需給バランスは供給過多となり、今後矯正主訴患者の集患は厳しい状況になっていくと考えられます。

2025年に勝ち残るための戦略


2025年に勝ち残るためには、以下の戦略を積極的に実行していく必要があります。

1. 特化戦略:差別化戦略 vs コストリーダーシップ戦略

ライフサイクル理論によると、矯正歯科は現在、需要(患者数や求めている治療)と供給量(歯科医院数)がほぼ同数となり、業界の過渡期に差し掛かっていると考えられます。従って、集患力を高めるためには、特化戦略を取ることが求められます。
(1) 差別化戦略

差別化戦略は、「○○歯科だけの強み」「○○歯科じゃなければいけない理由」を作る戦略です。矯正歯科においては、認定資格、症例数などの社会的証明を打ち出した戦略が有効です。
  • メリット


    • 参入障壁が高く競合が増加しにくい

    • 求めてくる患者自体も比較検討したうえで来院するため成約率が上がる傾向にある

    • 上記の結果として営業損失が減少し、時間当たり生産性が高まりやすい



  • 課題


    • 一人当たり売上が減少するため、材料費が高騰している現在においては薄利となってしまう

    • 理事長や院長指名での来院希望もあり、スケールしづらい

    • 難症例やセカンドオピニオンでの来院も増加してしまい、カウンセリング難易度が上がる




差別化戦略をとる場合は、社会的証明権威を意識することで差別化ポイントを明確にすることができます。
  • 社会的証明: 多くの患者様が当院で矯正治療を受けている実績をアピールすることで、新規の患者様の安心感を高めることができます。

  • 権威: 認定資格や所属学会などをアピールすることで、専門性の高さを示すことができます。Webサイトや広告画像にCT画像などを使用するのも有効です。


(2) コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略は、同商圏内で価格優位性(価格を抑えた状態)を持つ戦略です。新規参入した医院でも取り組みやすい特化戦略ですが、価格設定には注意が必要です。
  • メリット


    • 同商圏内における価格優位性を持つため、ターゲットを広く取ることができる

    • 明確な訴求ポイントがあるため、Webサイトや広告、院内パンフレットなどに打ち出しやすい

    • 今から矯正歯科に参入する、強めていく歯科医院でも取り組みやすい



  • 課題


    • 一人当たり売上が減少するため、材料費が高騰している現在においては薄利となってしまう

    • 金銭的余裕のない方の来院も増加してしまい、営業損失になってしまうケースも発生する




価格設定をする際には、以下のポイントを意識することが重要です。
  • 船井流価格の根源的分岐点: 人は、1, 2, 3, 5の数字がつく予算帯で考え、4, 8, 18の数字がつくと価格帯が変わったと判断する傾向があります。

  • 価格の参照点: 価格変更を行った際に、人は以前の価格や相場価格などを基準に判断します。

  • 損失回避理論: 人間は得より損の方が気になる性質があります。

  • 極端回避の法則: 人間は松竹梅など3パターン用意されると、真ん中を選ぶ傾向があります。

  • フェア理論: 人間は、相手と自分がフェアであるかを気にします。


2. 患者ニーズに対応した診療体制

患者様のニーズが多様化していることを踏まえ、以下の診療体制を整備していく必要があります。
  • 多様な治療方法: ワイヤー矯正、マウスピース矯正、舌側矯正など、患者様のニーズに対応できるよう、多様な治療方法を用意することが重要です。

  • 柔軟な治療計画: 治療期間や費用、通院頻度など、患者様のライフスタイルに合わせた柔軟な治療計画を提案できるようにしましょう。

  • 丁寧なカウンセリング: 患者様の不安や疑問を解消し、納得して治療を受けていただけるよう、丁寧なカウンセリングを実施することが重要です。
    • 特に、成人矯正では、検査価格の低価格化治療計画書の活用デンタルローンの導入価格のトータルフィー化などに取り組むことで、成約率の向上を実現することができます。

    • 小児矯正・予防矯正では、無資格者の方によるカウンセリング体制を構築することで、ドクターの負担を軽減し、より多くの患者様に対応できるようになります。




3. 効果的なマーケティング戦略

競合が増加する中、患者様に選ばれるためには、効果的なマーケティング戦略が不可欠です。
  • Webマーケティング: WebサイトやSNSを活用し、医院の情報を発信することで、新規の患者様を獲得することができます。
    • 特に、成人矯正では、専門サイトの作成SEO・MEO対策Web広告の実施紹介カード・マウスピース矯正コミックなどのオフライン媒体などに取り組むことで、相談数の最大化を図ることができます。



  • 口コミ: 患者様からの口コミは、新規の患者様を獲得する上で非常に有効です。

  • 地域連携: 地域の医療機関や学校などと連携し、患者様を獲得することができます。


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まとめ


2025年の矯正歯科市場は、歯科医師増加、人口減少、特需終了により競争激化が予測されます。生き残るには、差別化か低価格化による特化戦略、多様化するニーズへの対応が必須です。
船井総合研究所は、豊富な実績とノウハウで、貴院の成長をサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者 : 歯科支援部

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