歯科衛生士の採用基準‐歯科医院経営のツボ‐

2014年07月10日 (木)

コラムテーマ:
マネジメント(採用 教育)

皆さん、こんにちは。
船井総合研究所の歯科チームです。

応募=即採用の危うさ

「歯科衛生士が採用できない」というお話は、
どの院長先生から相談を受けても、
ほぼ100%に近い割合で課題として挙げられます。
 
歯科衛生士の採用に関しては、
歯科医院の売上規模に関係なく直面する課題ですので、
これまで採用に困ったことがないという院長先生は、
ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
 
歯科衛生士が売り手市場の状況では、
歯科衛生士の採用基準”というものはあってないようなもので、
応募があれば即採用にされている場合も本当に多いです。
 
ただ、ここで考えていただきたいことが、
仮に月25万円で常勤の歯科衛生士を雇うとなると、
年間300万円以上の投資をすることと同じです。
給与以外にも教育にかける時間やその他の経費も考えると、
どれだけ大きな投資であるかは実感していただけるかと思います。
 

人材不足→採用の悪循環

大きな投資であるにも関わらず、
典型的によく陥りがちな間違いが、
人材が不足してから採用の行動を起こしてしまうことです。
 
歯科医院は女性中心の職場ですので、
結婚や出産、夫の転勤などで、
人材の入れ替わりがどうしてもおきてしまいます。
何ヶ月も前から事前に言っていただける場合はまだましですが、
急に今月で辞めますというスタッフの方も少なくありません。
 
スタッフの方が辞めては採用活動、辞めては採用活動……。
このような悪循環を続けていては、
医院が本当に成長するということは難しいでしょう。
 
本質的に解決しないといけない課題は、
スタッフが辞めないですむ組織を作る
ということであり、

  • 雇用条件の改善
  • 福利厚生の充実
  • 子育てを支援する風土作り

などを整備していくことです。
結婚や出産を経験しても、
医院としてバックアップ出来る体制、
実際に働き続けているロールモデルが必要となってきます。
 
しかし、制度を整備・導入していくためには、
医院の売上だけでなく時間も必要であり、
非常に長期的に考えていかなければなりません。
 

採用基準を明確にする

採用で困らない医院になるために、
まず、取り組みとして実践された方が良いのは、
応募があれば即採用することをやめ、採用基準を明確にするということです。
 
採用基準に関しては、

  • スキル面
  • マインド面

は完全に分けて考えられた方が良いですね。
 
例えば、スケーリングが上手い、下手などのスキル面に関しては、
採用後の教育で改善できる可能性のあるものですが、
今よりも上手くなりたいので先輩の衛生士に話を聞く、
診療後に残って練習をするなどといったマインド面に関しては、
教育での改善が難しい部分になります。
 
医院として一番欲しい人材としては、
マインド、スキル両方がそろった人材でしょうが、
採用の段階ではマインド面のみを徹底的にみることをおすすめします。
 
面接の方法は別の機会に書かせていただきますが、
医院として大切にしたい価値観を共有できる人材かを、
採用基準として事前に明文化された方が良いかと思います。
 

最後に

本来、採用というものは診療の片手間で出来るものではなく、
医院の経営課題の中心に考え、
院長先生自らが率先して行動していかないといけません。
 
それが、人材が不足してから採用を考えることで、
取り組みが後手にまわり、
良い人材を全く採用できないという 先生が本当に多いように感じます。
 
採用で正しい行動を起こしていらっしゃる先生は、
採用難の時代でもしっかりと良い人材を確保できています。
 
採用は医院の基盤となりますので、
常に重要性の高いこととして行動をおこしていただければ幸いです。

◾️この記事を書いたコンサルタント

歯科コンサルタントチーム

プロフィール詳細

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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