2020年歯科業界動向予測と対策

新年あけましておめでとうございます。船井総合研究所の松谷です。
本年も船井総研歯科コンサルティングチームを宜しくお願い致します。

今回は2020年歯科業界動向予測と対策というテーマでお伝えしたいと思います。
昨年2019年皆様の医院におかれましては、いかがでしたでしょうか。

弊社の会員様歯科医院の院長先生にお話をお聞きしますと、
概ね業績が好調であったというお話をいただいております。

業界としては厳しい環境にあると言われていますし、実際にそうかと思いますが、
しっかりとした堅実な経営の取り組みや対策を行っていれば、よい結果に結びつくということだと思います。
この傾向は2020年も継続し、より2極化が進むと考えています。

一方で、苦戦が見られたのが、人材採用というテーマです。
昨年は特に歯科衛生士、歯科医師のみならず、歯科助手、受付といった無資格者の採用も
苦労された方も多かったのではないでしょうか。
この点は2020年以降も好転することなく、厳しい環境が続くと考えています。

現在、「2030年問題」というキーワードが出始めています。
これは2030年には必要な労働力人口が約644万人不足するという問題です。
644万人というボリュームは現在の千葉県の全人口に匹敵するボリュームですから
いかに大きいのかということがわかります。

この10年間は採用困難時代が続くと考えてよいと思います。

また、労働力の不足と関連してもう1つの課題として、賃金の上昇が予測されています。
現在、人不足と問題と賃金の上昇が続いています。
2020年1月時点での、東京都の最低賃金は1013円/時給となっており、全国平均は901円/時給となっていますが、
国は近いうちに全国平均の賃金(時給)を1000円にすると明言しています。
直近の最低賃金のアップ率は年率3%程度となっておりますので、仮に3%のペースで最低賃金がアップしますと、
5年後には全国平均が1000円となります。
また、賃金のアップ率は近年高まる傾向にあり、より早期にアップする可能性があります。

また、別の予測データによりますと、
すべての職種の平均時給が2030年には2096円になることが予測されています。

私たちにおいては、給与水準の引き上げが必要となり、同じ人員数で医院を行う場合でも、
経費の上昇は避けられないことや、より高い水準で労働条件を提示しないと
採用が困難になると予測できます。

あまりにも大きな賃金の上昇は歯科医院にとって経営の悪化につながる可能性があります。
このことが要因で医院活動を継続できなくなるという医院が出る可能性も考えられます。

このことは大きな時流、つまり世の中の流れであり、この流れをとどめることは私たちには不可能です。
この時流に対して、どのように対応していくか、ということが歯科医院経営者として
やるべきことだといえるでしょう。

つまり、2020年以降はこの時流に対して、十分に対応できるだけの余力を持った経営体制を
作り上げるということが大切だと考えます。

私たちは、この時流の変化に対して以下のステップで対策を取ることをおすすめしております。
STEP1 生産性を高め、労働条件を高められる力を持つ
(※生産性とは1時間当たり売上・スタッフ1名あたり売上・ユニット1台あたり売上≠総売上アップ)
STEP2 営業利益の柱を複数持つようにする
STEP3 柱を立てるために戦略的に3か年診療技術向上計画を立てる

ます最初のステップですが「生産性の向上」つまり、売上拡大ではなく営業利益の向上を目指すということです。

例えば、以下の3点の例を考えてみます。
1 保険治療(歯科医師の保険治療)の100万円の増収
2 定期健診の100万円の増収
3 セラミック治療の100万円の増収
は同じ意味を持つでしょうか?

営業利益で考えると全く異なるということは皆さまお分かりいただけると思います。
(この議論は保険治療をおろそかにしてよい、セラミック治療を強化すべきである、という議論ではなく、
同じ売上があったとしても利益は異なるという例としてあげさせていただきました。)

したがって、今後は売上拡大ではなく、利益を重視した経営にシフトする必要があると言えます。

次に「STEP2 営業利益の柱を複数持つようにする」という点ですが、こちらは、
インプラントという治療の柱をもつ医院様があるとしますと、インプラント治療だけではなく、
例えば、歯周病治療や小児予防矯正、アライナー矯正、訪問歯科といった分野の治療の柱があるほうが
安定した経営ができるということです。
近年、治療の特色を持った医院づくりを進める方が増えていますが、この特色の部分を1つだけではなく
複数持ち、広げていくという考え方が必要だと思います。

次に「STEP3 柱を立てるために戦略的に診療技術向上計画を立てる」という点ですが、
いくら治療の分野を広げると言いましても、実際には治療の技術面の習得が必要になります。
この点をおろそかにすると最も重要な患者様からの支持が得られない可能性があります。
したがって、いかに治療技術を習得するかという部分がテーマになります。
また、この点はむやみに治療技術を習得するのではなく、今後3年程度の医院の方向性や経営方針に沿って、
講習会等に参加し、技術を習得していく、ということが必要になると言えます。

私たちは上記のような歯科業界の時流に変化に対応できるように、様々な治療メニューや経営テーマに
沿えるようなセミナーを2020年には企画しております。

最新セミナーはこちら
https://dental.funaisoken.co.jp/seminar/

【執筆者:松谷直樹】

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