「地域ケア会議に年1回以上出席していること」

こんばんは。
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
訪問歯科担当の若木と申します。
今春の報酬改定以降、毎日全国の医院様より訪問歯科に
関するお問い合わせを多く頂戴しております。
・訪問歯科に取り組みたいが何から始めればよいかわからない
・集患できない、方法がわからない
・今からはじめて立ち上がるのか不安
・器具など何を揃えたらよいかわからない
・そもそも人員が足りない
などなど、お悩みにも似たご質問を日々頂いておりますが、
その中でも多いものとして、『か強診の施設基準をクリアしたい』
というお声が御座います。前提として、訪問診療の人数が
問われている点はありますが、今回は複数ある項目の中でも私が
注目しております、下記の点について皆様に情報をご提供したいと
思います。
『地域ケア会議に年1回以上出席していること』
まずは、この会議とは一体何なのか、ということで下記を
とらえて頂きます。
●地域ケア会議の概要
地域ケア会議とは、地域包括ケア実現のため、地域の実情にそって、
地域資源をどのように構築していくべきか、課題を的確に把握し、
解決していく手段を導き出すための会議です。具体的には、
多職種で話し合う場を設け、問題解決にあたるものです。
(地域包括支援センターにて開催)
●地域ケア会議の流れ
地域ケア会議の流れは、ケアマネジメントを進める上で、
個別事例のなかから、地域全体での課題解決が必要なものを
取り上げます。実際には、居宅介護支援を担うケアマネジャーから
管轄の地域包括支援センターに対して、現場でのケースを用いて
事例提供を行います。
地域包括支援センターでは、この事例を課題として、ケアマネジャー
を事例発表者とし、多職種によって支援内容を検討していきます。
●参加職種
参加職種は、包括職員、介護支援専門員、自治体職員
(介護保険担当、地域福祉課、障害福祉課等)、介護事業者、
医師、看護師、リハビリ職、社会福祉士などです。
●望むべきこと
多業種が一度に集まることで、ケアマネジントの支援のみならず、
そこから浮かんでくる地域課題の把握に繋がり、それを解決する
ためにはどのような地域資源が必要なのかが検討されることを
期待しています。
と、ここまでは、お調べ頂ければわかる内容なのですが、
この1カ月、主催の地域包括支援センターへ全国津々浦々訪問して
参りまして、わかった点がいくつかありますので、これを是非
『自分の地域はどうなのか、自院はどうなのか』という視点を
もってご確認頂ければと思います。
・地域ケア会議の形態は管轄によって千差万別。複数種類開催されて
 いる場合もある。
 また、回数も地域によって様々である。
・地域包括支援センターでは、介護職が集まる他会議や高齢者の
 地域イベントについても情報が集積している。
・地域包括支援センターの担当者は、キャリア含め、地域の介護職の
 中心的な人物であることが多い。
・他職種にくらべ、歯科医院の関与は薄い傾向にある。
・介護職側から見た歯科医院の先生方は忙しく、顔が見えない限り、
 声をかけにくい存在と見られている。
聡明な先生方は、これらを鑑みて、なぜ今回のか強診の要件に
『地域ケア会議の~』という項目が入ってきたのか、ピンと来られた
のではないでしょうか。つまり、これに参加することで、地域の
多職種、介護職と関わりを持つことになり、相談の場に否応なしに
巻き込まれ、顔が見えるようになり、すなわち訪問が必要な患者様
との接点になる。そう感じるのは私だけでしょうか。
現場に出ていると、歯科医院側の目線では当たり前の、歯科治療や
口腔ケアは全身のQOLの維持向上や肺炎予防にも繋がるという内容が、
まだまだ共通理解となっておらず、医科にはかかるが歯科は後回し、
というケースが多くあることを実感します。しかし、驕り勘違い
してはならないのが、それには逆の介護側目線でそれなりの理由が
存在するということで、それを理解せずには、相互理解や歯科医院の
提供できる意義の浸透は叶わないのです。
『訪問歯科をいかに立上げ、拡大するか』、訪問先進の医院様に
尋ねると同じ答えが返ってきます。(近くにたまたま施設ができた等
の運以外)近道やコツはわからない、如何に接触頻度を確保し、
地道な関係構築を行うか、であると。訪問立上げは新規ビジネスの
立上げとも言われます。新規ビジネスが小手先でうまく行く筈がない、
医院の立上げを行ってこられた諸先生方ですから、その点は
共感頂けるのではないでしょうか。
遠回りに思える地域ケア会議への参加、多職種連携が、
実は訪問への取組みの近道かもしれません。しかも、この参加には
ポータブルユニットの有無や知識や経験の有無は関係ありません。
ただ、手を挙げるだけですから。是非、皆さまが地域の輪の中で
輝き、本当の意味で訪問歯科を提供できる医院様となって頂ける
ことを願っておりますし、当方もそのサポートができるよう引き続き
努めて参りたく思います。
ご精読、誠にありがとう御座いました。
~私たちの想い~
私たち船井総研は2025年問題を自分ごとと捉え、世の中に1件でも
多くの歯科医院が訪問診療を推進し、在宅や施設の高齢者を
診ていただくことでQOLの向上に寄与、また、誤嚥性肺炎を
ゼロにする、との想いから訪問歯科コンサルティングを真剣に
取り組んでおります。
【執筆者:若木 伸文】

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