自費率50%以上の医院から学ぶ!TCカウンセリング×営業術

2022年05月09日 (月)

コラムテーマ:
院内マーケティング

皆さま、こんにちは。
株式会社船井総合研究所の佐藤大輝(さとうだいき)です。
今回は、TC(トリートメントコーディネーター)のカウンセリングについて考えていきたいと思いま
す。

自費率が高い歯科医院の傾向

日頃様々なクライアントの月次の経営数値を拝見しますと、通常の保険診療もしっかりと行いな
がら自費率が50%を超えている医院には『傾向』があることが分かります。

それは、場面に応じて”ヒアリング”や”提案”といった自費カウンセリングの『型』がある確立されて
いることです。
逆にカウンセリングを行っていると言っても、メニュー表だけ見せることが多かったり、時間を割け
ずにこちらからの一方的な話で終わってしまっているという医院の場合、自費率が低い傾向にあ
ります。

このことから『型』、つまりカウンセリング中のポイントを抑えることで成約率に好影響を及ぼし、そ
れが医院の自費売上にも影響し自費率が高くなるのではと考えます。

TCカウンセリングの『型』の作り方

そして『型』というのは、一から考えるのではなく、それに近しい既存のものを応用すると良いで
しょう。
歯科医院で行うカウンセリングに近いものですと「営業」がその一つです。

ただし、営業といっても様々なやり方がありますので、迷われるかと思います。
そこで今回ご紹介するのが『SPIN営業術』です。

SPIN営業術とは

SPIN営業術とは、イギリスの行動心理学の研究者であったニール・ラッカム氏が提唱した大型
商談を成約に導くための営業手法のことです。(歯科医院のカウンセリングに当たりますので、)
これは全世界35,000件以上の商談でトップセールスマンに見られる特徴を分析し、確立した営業
手法であり、再現性が高い営業手法です。

SPIN営業術の4つの質問

SPIN営業術では、S→P→I→Nの4つの頭文字から始まる質問で構成されております。
具体的には以下の4つです。

状況質問(Situation)

状況質問とは、相手の状況を把握するための質問のことです。
例えば、
● 虫歯の状況はどうですか?
● 歯並びのどのようなところが気になりますか?
などです。
この質問はやりやすいですが、連発すると相手から嫌がられて成約率が下がる傾向にあります。

問題質問(Problem)

問題質問とは、相手が抱える潜在的な問題点を確認する質問のことです。
これはオープンクエスチョンでもクローズクエスチョンでも構いません。
例えば、
● 虫歯の箇所ですが、染め出し液で確認した時の磨き残しの箇所と一致しておりました。日
頃磨けてないと感じることはありますか?
● 歯並びが少しガタガタしていることが気になるとのことですが、しっかりと奥歯は咬めてま
すか?
などです。
歯科医院の場合、問題質問は検査・診断のデータを基に、事実ベースで伝えつつ問題点を確認
してあげると良いでしょう。

示唆質問(Implication)

示唆質問は、相手が抱える潜在的な「問題」に焦点を当てた質問であり、この質問をすることで
「問題」の大きさを理解してもらいます。
例えば、
● 歯は何度も削ることができず、虫歯の再発と治療を繰り返すことで抜歯になることもあり
ます。せっかく治療した歯をまた治療するのは嫌ですよね?
● 実は歯並びが悪いことで咬み合わせも悪くなり、一部の歯に負担がかかることで将来の
歯の本数に影響を及ぼすことが分かっております。安く治療して見た目は改善したもの
の、咬み合わせが悪いことで将来的に歯が抜けてしまう、というのは嫌ですよね?
などです。

解決質問(Need-payoff)

解決質問とは、問題の「解決策」に焦点を当てた質問のことで、示唆質問で問題の大きさを理解
してもらった後に解決策となる治療があることを理解してもらうために使います。
例えば、
● せっかく治療した歯を再度治療しなくてもいいように、虫歯の再発率を抑えられる治療が
できるとしたら嬉しいと思いませんか?
● 咬み合わせもしっかり改善することで長期的な健康が手に入るとしたら良いと思いません
か?
などです。

SPIN営業術をTCカウンセリングで応用するポイント

ポイントは以下の2つです。

  1. S→P→I→Nの順番で質問を行うこと(歯科医院の場合、Pは質問ではなく事実ベースの確認になるかもしれません)

  2. 示唆質問をするために事前準備(患者さんが抱えていそうな問題やそれを放っておくと生じる不都合なことの情報収集)を行うこと

SPIN営業術では『示唆質問』が最も重要です。
相手が抱える問題を見つけたら終わりではなく、その問題がどれくらい大きくなるかを理解しても
らい、現状を変えたいと思ってもらえることで、成約に繋がります。

まとめ

今回は自費率が高い医院の傾向として、カウンセリングの型があり、決まった型が無い医院は営
業手法(今回は『SPIN営業術』)を取り入れると良いことをお伝えしました。

各質問の内容はあくまで一例であるため、大枠の流れを理解してもらえますと幸いです。

なお船井総研では、1時間無料の個別相談を行っております。

まずは先生の医院のお困りごとを聴かせてくだされば、どんな優先順位で何をすべきか?をオー
ダーメイドの情報として提供します。
まずはご相談をお待ちしております。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

船井総研 佐藤

歯科医院の自費率を向上させるチェアサイドカウンセリングレポート

◾️この記事を書いたコンサルタント

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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