歯科医院開業にかかる資金は?歯科医院専門コンサルタントが解説

2021年12月06日 (月)

コラムテーマ:
院内マーケティング

はじめに

歯科医院を開業する際にかかる必要資金は、立地やどれだけの規模(チェア台数など)によって変わってきますが平均的に5000万円ほどが必要となります。開業を検討される先生方の頭を悩ませるのは、資金面であろうかと思います。歯科医院開業のために、何にどれだけの資金が発生するのか?どこから資金を調達したらよいのか?理解してから、開業に向けての準備を漏れなく進めていきましょう。

歯科医院開業の際にかかる必要資金は?

開業に係る項目を大きく分類すると、「物件費」「内装外装工事費」「歯科器材費」「レセコン費」「内覧会費」「採用費」「HP制作費」「運転資金」「その他」です。細かく見ていきましょう。

①物件費

テナント開業か戸建て開業かによってかかる費用は異なりますが、歯科医院の開業費用において大きな割合を占める項目でしょう。

住宅街なのか?アクセスのよい駅前なのか?都心部か地方か?など立地によっても費用の変動が大きいですが、一般的に、テナント開業の場合は約500万円~(敷金礼金仲介手数料等)、戸建て開業の場合は土地代・建設代がかかるため最低でも約3000万円~であると想定しておきましょう。

②内装外装工事費

歯科医院の開業の場合はチェアを設置する関係上、配管工事を行わなければいけませんし、レントゲン撮影ルームには放射線対策の特別な工事が必要となります。それらの特殊な内装外装工事を含めると、約2000万円~はかかります。

③歯科器材費

歯科器材と一言にいっても、幅広くあります。そして開業される先生方がどの程度の機材(CTやセレックなどの最先端の機材を導入するのか?など)を完備したいかによってもかかる費用は変動してきます。またチェア台数によっても異なりますが、最低でも2000万円以上は想定しておきましょう。なお、細かく費用は比較的小さいですが、マスクやグローブ、印象材などの消耗品・材料費も含まれます。
④レセコン費
保険診療報酬請求をするためにはレセプトコンピュータが必須です。様々なメーカーのものがありますが、初期導入費だけで100万円前後と想定しておきましょう。(月々の保守費用は別途かかります)

⑤内覧会費
開業前に内覧会を実施することで、開業直後からの集患でよいスタートダッシュを切ることができます。基本プランで約100万円~と想定しておきましょう。

⑥採用費
当然のことながら、歯科医院を運営していくうえで院長一人では開業できません。歯科衛生士、歯科助手、受付などのスタッフを採用する必要があります。新規に採用する場合は、人材紹介会社やポータルサイトなどの窓口経由を含めて約50万円~100万円が必要となります。

⑦ホームページ(HP)制作費
新規開業のカギとなるのは集患であるといっても過言ではありません。新規患者様の集患経路の半数以上はホームページなどのWEB経由となります。よって開業後に持続的な成長を行うためには、ホームページ制作は必須です。ホームページ制作会社様も多岐にわたり、費用も30万円~200万円ほどと幅広くなっています。

⑧運転資金
保険診療報酬の入金が歯科医院に入ってくるまで2か月のタイムラグがあり、収入が入ってくるのには時間がかかりますが、固定費は毎月しっかりと発生してきます(スタッフの給与、家賃、院長の生活費など)。その不足分を補うために開業前に事前に用意しておくものが運転資金です。運転資金は歯科医院の平均月商300万円の3か月分ほど(約1000万円)用意しておくことが一般的です。

⑨その他
その他は、歯科医師会の入会費年会費や水道光熱費などの微々たるものになりますので、資金調達の際に注意する事項ではありませんが、念のため頭の片隅に入れておきましょう。

資金調達の方法

いくつか資金調達の方法はありますが、メリットデメリットを検討して選択しましょう。

●日本政策金融公庫
国が100%出資する金融機関からの借り入れの方法です。メリットは、無担保無保証で借り入れができる点です。詳しくはこちら↓
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

●銀行
銀行から融資を得る手段もあります。ただし、綿密な事業計画を提出したり保証人を立てたりする必要があり、ハードルが高い場合もあるでしょう。

●地方自治体の融資制度
開業されるエリアの地方自治体の制度を活用する方法です。一度ご自身の開業エリアの制度の内容を見てみましょう。中には厳しい審査基準を設ける自治体もありますので、詳しく見てみましょう。

●親族などから借りる
トラブルにならないように、必ず借用書を作成しましょう。また、きちんと返済ができるであろう額のみを借りることもポイントです。

さいごに

「地域の患者様の健康を守りたい」「自分の治療技術で周りの人を幸せにしたい」そのような高い志で歯科医院の新規開業に踏み切られた方が多いのではないでしょうか。資金面でお悩みになる先生方がいらっしゃるかと思いますが、開業して成功するためには、資金面だけでなく、歯科医院の経営コンセプトはなにか?立地選定はどうするのか?ターゲットとなる患者様のペルソナ設定をどうするのか?どのような方向性で経営するのか?目指すべき院長先生のゴール設定はどこか?といった、経営者としての思考が欠かせません。もし少しでもご不安な点がありましたら、船井総研の歯科医院専門コンサルタントにご相談ください。開業前のコンセプト設計・HP制作サポート・採用サポート・内覧会サポートなどなど過去多数の歯科医院様の開業サポートをさせていただいております。まずは一度、ご相談ください。

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◾️この記事を書いたコンサルタント

歯科コンサルタントチーム

プロフィール詳細

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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